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2010年4月 2日 (金)

読書日記4月2日

「漂流」新潮文庫。吉村昭。
 これはムチャクチャ面白かった。江戸時代の船は鎖国政策との兼ね合いで非常に脆弱な作りであり、そのため嵐となれば漂流するしかなかったのであるが、土佐で嵐に遭い、漂流したあげく鳥島という八丈島よりも更に日本から離れたアホウドリの繁殖地に流れ着いた船乗り達がいかにして暮らし、いかにして生還したかを描いたノンフィクション。
 その生きるエネルギーにはただただ敬服せざるを得ない。
 一読の価値ありの本である。

「乱鴉の島」新潮文庫。有栖川有栖。
 孤島での連続殺人といういかにも金田一耕助氏シリーズにありそうな題材に引かれて購入したが、全然だめであった。ひどい内容で、横溝正史の金田一耕助シリーズで鍛えられた私にとっては全く物足りない内容であった。買って損をした・・・。

「幕末」文春文庫。司馬遼太郎。  幕末の暗殺を描いた短編集。司馬は短編も本当にうまい。  幕末の尊皇攘夷運動のさなか、暗殺に命をかけ、人の命を奪い、自らも死んでいったあまたの暗殺者を描いている。その中でよかったのは、「桜田門外の変」と「逃げの小五郎」「最後の攘夷志士」である。桂小五郎は剣で飯が食えるにも関わらず、桂が人を斬ったというはなしは聞かない。幾松の桂への愛情と、目的のためなら雌伏して牙を研ぐその桂の姿勢には敬服する。もっとも、一時は逃げることが目的となっていたようであるが。  司馬は、この幕末に暗殺によって時代が変わったことはないとするが、桜田門外の変だけは例外だとする。暗殺によって時代が変わった例は他の時代には多々あるし、諸外国には例があるが、確かに、この幕末の暗殺においてはそうかもしれない。  司馬の作品は三冊に一回は読みたくなる。

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