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2010年7月15日 (木)

吸血鬼

 吸血鬼の伝承が残っている国や地域は多いが、多くは土葬の国のようである。
 日本でも石器時代には死者が甦らないように、足の骨を折ったりして埋葬されている例がある。
 
 吸血鬼のイメージを確立させたといえば、プラム・ストーカーの「吸血鬼ドラキュラ」であろう。これは実は小説であり、ドラキュラの名前じたいは、ルーマニアの実在した貴族の名前である。串刺し候、ブラド=ドラキュラである。
 ルーマニアに対してオスマン・トルコ軍が侵攻した際に、その侵攻経路に多くのトルコ兵の串刺し死体を並べたててトルコ軍の士気を萎えさせて撃退したこともある名将でもあるが、ドラキュラ候じたいは当時の貴族としては国や領土を守るために敵に対して残虐な殺し方をしたまでで、特段吸血鬼であった訳ではない。しかし、彼の串刺しにして殺すという残虐な行為から着想を得たのではないか。

 吸血鬼に襲われたものは、死んだ後に吸血鬼となって甦るとされる。
 土葬の習慣があった国では、死者が吸血鬼となって甦っているという噂をあると、掘り返して確認するということもされていたようである。
 そのときに、死者が吸血鬼とされたのは、
 ①口から血を流していた。これは血を吸ったためである。
 ②生きている時よりも髪の毛や爪が伸びていた。
 ③とどめを刺すために、心臓に杭をうったときに、叫び声をあげた。
 などが理由とされているようである。

 先日、ナショナルジオグラフィックチャンネルを見ていると、これに対して科学的に回答が出されていた。私が昔に読んだ本でも同様であった。
 ①体の中の体液が死んだ後にあふれ出ているものである。
 ②皮膚が水分を失って落ち込むので、それとの比較で伸びたうに見えるだけである。
 ③死体の体の中にはガスが溜まっていて、杭を打たれた瞬間にガスが出て、それが叫び声を出したかのように聞こえるのである。
 というものである。

 吸血鬼を描いた作品として秀逸なのは、小野不由美の屍鬼(全五巻。新潮社文庫。読み出したらおもしろすぎて止まらないので要注意。)だと思っているが、そのほかには早すぎた埋葬というのもあったろう。
 現代の医学でも人の死に対して誤った判断を下すことがありうるのだから、医学が発達していない当時であれば、後に蘇生する場合もあったであろう。
 そうした蘇生した死者が、墓の中から棺の蓋を掻いて外に出ようとする声は、事情を知らないものからすれば、死者が甦ったものと思われたであろう。
 ヒストリアンという海外の作品も確か吸血鬼を扱った作品としてはおもしろかったが、屍鬼は、スティーブン・キングの「呪われた町」という作品へのオマージュのようだから、キングの原点を今度是非読みたいと思っているところである。

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