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2010年9月17日 (金)

読書日記9月17日

「ヘミングウェイ全短編2 勝者に報酬はない キリマンジャロの雪」新潮文庫。ヘミングウェイ。
 文豪という言葉に弱いミーハーな私であるが、ヘミングウェイの短編は読んだことがなかったので購入。キリマンジャロの雪がどこかで引用されていて、それで読みたくなった。内容としては私のような文学初心者には難解ともいえる。裏を読みすぎると失敗するような気がする。しかし、キリマンジャロの雪の冒頭のくだりは秀逸で、何を示唆しているのか私にはわからないが、奥深すぎる味わいがある。

「黒幕」新潮文庫。池波正太郎。
 池波正太郎の短編集。池波正太郎は本当に小説がうまい。もちろん短編集の中には失敗しているものもあるが、それでもすべてが一つの世界を構築している。
 私がおすすめなのは、夫を撃った相手に敵討ちに行った妻が、相手の男に惚れていっしょになってしまい、夫の親族から敵討ちをされて逆に討ち果たす「猛婦」。真田幸村が徳川家康の陣に突入する前に激闘して、そのきっかけを作った毛利勝永を描いた「紅炎」がいい。

「ロング・グッドバイ」ハヤカワ・ミステリ文庫。レイモンド・チャンドラー。村上春樹訳。
 文庫本で出ていたので、京都駅の本屋で買ってしまった。私は清水氏の訳した「長いお別れ」は当然読んでいたが、前からチャンドラーの原文はもっと長いという話は聞いていた。
 読み終えて、ただ、ただ、感激、感動、の嵐である。言葉にならない。
 人は人生で一度はレイモンド・チャンドラーを読むべきである。
 フィリップ・マーロウを知るべきである。
 そしてマーロウのような侠気を持つべきである。
 240頁の、働き蜂が死にかけているくだりが書かれているところを読んで泣いてしまった。なぜ泣いたのかは分からないが、不覚にも泣いてしまった。
 それ以外は前に読んでいるので筋はだいたい覚えているのだ。筋は知っているのに、3日で600頁を読み切ってしまった。次々に頁を繰りたくなるのだ。村上春樹の訳と、清水氏の訳とも比べてしまう。
 細かい描写にこそチャンドラーの真骨頂がある。
 しばらくはショットバーに行ったら、最初の一杯のギムレットが、2杯にはなってしまいそうである。
 マーロウは3杯飲んでいたが、3杯も飲んだら腰が立たなくなるから。
 チャンドラーに完敗。乾杯。

 このブログを読んでいる人には、是非、ロング・グッドバイを読んで欲しい。
 出来れば、マーロウものの長編もすべて。

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