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2011年5月16日 (月)

読書日記5月16日

「行人」新潮文庫。夏目漱石。
 司馬遼太郎は明治の文学を読みなさいと若い人に言っていたが、私も本当にそう思う。
 最近の文学作品を読むよりは、まずは古典を読み終えるべきと思うのである。
 夏目漱石は高校時代に「こころ」に出会い、その後勝手にほとんど読んだ気になっていたが、最近気になって探してみると、だいぶ読んでいないのがあることがわかった。
 そこで、まとめて購入した。
 この作品はこころにつながる作品ということだったのであるが、読んでいなかったようで(途中で何となく筋を知っている気になったのだが)、一気に読んだ。
 人の心が分からない苦悩を描いた作品で、それが故にほとんど精神疾患の常態となっている兄。妻と自分の弟の仲を疑ってしまい、苦悩に陥る。
 古くなく、今読んでも新しい。
 漱石を読まないのはもったいない、と思うのである。

「司馬遼太郎が考えたこと 13」新潮文庫。司馬遼太郎。
 司馬のエッセイ集。司馬の考え方には考えさせられるところが多い。この巻でも、いかに自己愛が腐臭を発するようなものであるかを書いている(表現は私の表現だが)。

「吾輩は猫である」岩波文庫。夏目漱石。
 これは漱石の最初の長編であるにもかかわらず読めていなかったので、読んだ。
 小説としては読みづらい。
 ただ、司馬が、漱石によって現在の日本語の書き言葉の原型が出来たとまで言っているのが分かる。
 言葉の奔流であり、そのリズム感、流れるような言葉遣いは、とても現代の作家が書けるところではない。
 漱石はどうしてこんなリズム感のある日本語が書けたのだろうか、と思う。
 小説としては一つの主題がある訳ではなく読みづらいが、人間を描いている点、典型的な人間像を作り出している点から、後世に与えた影響は計り知れないであろう。

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