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2012年8月 1日 (水)

悪質リース被害事案に画期的判決!

 27日に大阪地裁で、悪質リース被害事案に対して、リース会社の販売店に対する監督義務を認める画期的判決が出された。報道もされたが、関西ローカルどまりのようである。本当は、全国的規模の判決なのに。
  この裁判を被害者側で遂行された大阪弁護団とは、私が事務局を務める京都弁護団とも交流があり、こうした判決を取られたその努力と英知にはただただ感服するばかりである。

 また、事実をよく見た裁判所の判断にも敬意を表したい。
  我々弁護団からすれば明らかなことだが、リース会社は独自の営業部門を持たない。リース会社は、物品を販売している業者と業務提携契約を締結して、その販社をリース会社のいわば営業部門として使うのである。そして、販社が契約を取ってくると、販社はリース会社から物品の売買代金を受領し、リース会社にその商品の所有権は移転し、リース料を乗じたリース料を設定し、毎月リース料を顧客が支払うこととなる。
   適正なリース契約であれば問題はないが、販社は自らの利益を上げるため(物品の売却代金が一括でもらえるのでオイシイのだ)、違法な販売手法に手を染めがちである。一方、リース会社の方は、リース契約が「途中解約不可」とされ、リース契約を解約するためには、残金を一括で支払わなければならないこと、また、過去の判決の大勢は、「リース会社と販社は別物。だから販社がどんな悪いことをしていても、リース会社には責任がないですよ。契約したあなたが悪いのよ」的な判決を書いていた。どれだけ現場の弁護士がリース会社がおかしいのだと言っても、聞く耳を持たない裁判所が多かった(クーリングオフが認められた例は多いが、クーリングオフの適用が難しい事例では、いかに販社が悪いことをしていても、その行為をリース会社に主張出来ないとしていた例が多かったといえる)。
   しかし、事実を見れば、販社が利益を上げればリース会社も利益が上がる構造にあるのだから、報償責任の原理からしても、実際のリース契約締結の状況からしてもおかしすぎるのである(リース会社はほとんど何もしないで、販社がほとんどの行為を行う)。
   平成17年には社会問題化しているにも関わらず、その後も、リース会社の肩を持つ判決が多く出されていた。
   どうして、当たり前のことが当たり前に判断されないのか、リース弁護団の弁護士はみな切歯扼腕していたのである。
   そこにこの画期的判決(本当はこの判決が当たり前で、画期的といいたくないのだけど)。
   この判決を皮切りに、判決の流れが変わることを期待したい。
   裁判所は、リース会社の監督責任といっても、「根拠は?」で冷たい反応だったし、リース会社も、根拠がないと言っていればよかった。そこを突破したことは大きい。
   最近はリース会社の訴訟遂行も非常に悪質で、こちらが内部資料を出すように言っても、「必要がない」ということで拒んでくることが多かった。しかし、業務提携しているにも関わらずこれを出さないということはよほど見られたらイヤなことが書いてあるのではという気にもなるのである。裁判所も、事実を明らかにするために、どんどんリース会社の方に資料を出させるべきであろう。
   立法化にもつなげたい。
  大阪弁護団のみなさん、おめでとうございます。

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