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2013年4月 3日 (水)

ギムレット

 ギムレットというカクテルは、レイモンド・チャンドラーの「ロング・グッドバイ」(早川書房、村上春樹訳。清水俊二訳の「長いお別れ」という文庫版もある)の中で、主人公のマーロウがテリーという友人とバーで飲むカクテルである。

 テリーは突然マーロウの下を去り、そこからストーリーが展開していく。
 テリーが去ったあと、マーロウが一人でバーで飲んでいると、二人が通っていたバーのバーテンダーが、テリーが言っていた、「本当のギムレットはこう作るんだ」ということを覚えていて、テリーのレシピでギムレットを作ろうとしていたくだりが一つ好きである。お友達はどうしたのかというようなこともこのバーテンダーはいうのである。
 このバーテンはそのレシピに必要なジュースをわざわざ仕入れている。
 さりげないサービス精神というものがうかがえる。

 ロング・グッドバイの中で後に結婚することになるリンダ・ローリングと出会った時も、マーロウはギムレットでベロベロに昼間から酔ってしまう。後に絶筆となった「プードル・スプリングス物語」の中でも、ロス・マクドナルドが加筆したのか元々あったのかは分からないが、マーロウは使用人に冷えたギムレットを作らせて飲んでいる。

 チャンドラーの生涯を描いた作品を読んだが、特にチャンドラーがギムレットを好んだという記載はなかったが、ロング・グッドバイの中で重要な役割をこのギムレットというカクテルに果たさせていることからして、ギムレットはチャンドラーにとって特別なカクテルではなかったかと思うのである。

 テリーの名台詞がある。
 「ギムレットには早すぎるね」というもので、物語のどこで出てくるかはネタバレとなるので書けないが。

 私がバーで最初の一杯を頼むのはギムレットだが、まあこの程度の軽い理由である。
 みなさんも、今度バーに行った時に、是非最初の一杯はギムレットを飲んでみてはいかがだろうか。
 ただし、きついカクテルなので、飲み過ぎには要注意である。

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