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2015年5月18日 (月)

読書日記5月18日

「天下 家康伝」(上)(下)日本経済出版社。火坂雅志。
 歴史作家の著者が「新しい家康像を描いた」という自負でもって描いた作品。
 残念なことに、非常に限られた枚数で家康の生涯を書こうとした為に、非常に薄い内容となってしまっている。最初の方と後ろの方の月日の立ち方がえらくアンバランスである(後ろに行けばいくほど端折られている)。体調を壊して亡くなられたので、健康上の問題があったのかもしれないし、元々の連載予定が短くなってしまったのかもしれないと思っている。
 その意味で、読むのを進められる作品とはなっていない点が残念である。
 家康を描いた作品としては、津本陽の「乾坤の夢」司馬遼太郎「覇王の家」「関ヶ原」「城塞」にまさるものはないと痛感した次第である。

「池澤夏樹個人編集 日本文学全集13 樋口一葉 夏目漱石 森鴎外」
 池澤夏樹氏は世界文学全集を刊行した後、日本文学全集を刊行しているが(世界文学全集もある程度買い込んだが、中々読めていないが)、その中の一冊。
 明治時代ということで3名の代表的な作家の作品が一つずつおさめられている。
 まずは樋口一葉のたけくらべであるが、これは作家の川上未映子氏が現代語訳している。恥ずかしながら、樋口一葉のたけくらべは読んだことがなく、今回現代語訳で読ませてもらった。
 夏目漱石の三四郎は大学時代に読んだ為、20年以上を経て読んだら筋を綺麗に忘れてしまっていた。記憶力のなさに愕然としたが、かえってそのために初めて読む感動とともに漱石を読めた。
 現代の我々がそれなりに日本語で文章をかけるのは漱石の功績であり(司馬遼太郎のエッセイで書かれている)、漱石を読まずして日本語は語れないと思うのである。
 三四郎の恋はどうなるのか。明治という時代を感じられる作品で、是非読んで欲しい。
 40を過ぎてから文学を読むということは素晴らしいと痛感した。
 森鴎外の青年は夏目漱石の三四郎に対抗あるいは刺激を受けて書かれた作品で、設定などが極めて似ているが、主人公は三四郎とは全く違う行動を取っている。
 是非読んで欲しい一冊である。

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