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2017年5月30日 (火)

読書日記「黄砂の籠城」

 講談社文庫。上下巻。松岡圭祐。
 義和団の乱の際に、各国の公使館が義和団に狙われる。4000人の人命を守るため、日本陸軍の櫻井は柴中佐とともに命をかけた籠城をする。

 史実に基づく小説である。読みやすく、ノンストップアクションで最後まですっと読める。
 義和団の乱の際に、このような事実があったとは知らなかった。
 読みやすいが、また読んでいて違和感を感じなかったといえばウソになる。
 義和団からすると、列強は故国を侵略した敵であり、清国からしても内実は列強とはそういう対象のはずである。
 この小説の中で、日本や列強の視点から描かれる義和団は、暴徒であり、敵であり、殺しても殺しても沸いてくるゾンビのような集団である。
 しかし、彼らとて1人の人間であり、家族があり、国を思わなかった訳ではあるまい。
 義和団が没個性の対象として描かれ、殺される対象としてしか描かれなかったところは残念であるが、小説なのでわかりやすい切り口は必要なのであろう。
 小説としては、非常にまとまっていて、このような史実があったのかと思わせられるので、最近非常に評判がよいこともよく分かるところである。

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