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2010年12月20日 (月)

山名恵子の目

    「まずはお互いが裁判所を利用せずに離婚とその条件について協議して同意することが基本です。これを協議離婚と言いますが、裁判所を利用することなく、弁護士が間に入って交渉によって協議離婚を目指すということから始めるのが基本かといえます。ただ、交渉ですので、任意の話し合いですから、強制力はありません。ですので、配偶者の対応からして、任意の話合いではとてもまとまりそうにないと考えられる時は家庭裁判所に調停を出すことになります。相手方の住所地が基本となります。住所地は山科区ですので、出町柳の近くにある京都家庭裁判所で調停を起こせます。ただ、この調停は裁判所が間に入るとはいえ話し合いですので、まとまらない時もあります。話し合いですので、出てこなくとも制裁はありません。調停で話がまとまればよいのですが、まとまらない場合には、裁判を出して判決をもらって国家権力によって無理矢理に離婚をさせる、ということになります。もちろん、一定の事情がないと離婚は出来ませんが、山名さんのお話を前提にすると、DVがあったということですから、離婚を山名さんから求めて離婚が認められないということはないと思います。」
     私は、いつもしている説明を時折山名恵子の方に視線を移しながらしていった。依頼者と話をするときは、ずっと目を見ているのもよくないが、全く目をみないのもよくない。依頼者の方は自分に興味がなく、手もとのメモ用紙に興味があるのかと思ってしまうだろう。また、話し方も、一文があまり長くなってはいけない。いつまでも文が終わらず話をする人がいるが、あれは聞いていて理解しづらい。
      私はそうしたことを特に意識せずにしていたようだが、以前に異業種交流会の勉強会で話し方講座の講師からそのような話を聞かされてから、少し意識するようにしていた。
      山名恵子は、私の説明を聞いて手もとのピンク色の手帳に小さい字で時折うなづきながらメモを取っていた。
      私はそのほか、山名恵子の話を前提にすれば、相手方に慰謝料請求が出来るということや、夫婦で築き上げてきた財産があれば財産分与を求めることが出来ること、ただし割合は事案によって異なること、別居している間は婚姻費用(簡単にいうと生活費)の支払いを求めることが出来ることなどを説明した。 一通りの説明が終わると、山名恵子は、「慰謝料はこれだけひどい目に遭わされているのですから、数千万円とか取れるのでしょうか?」
      と、聞いてきた。
      「数千万円という慰謝料が日本で認められたケースは私も知りませんし、経験もありません。ただし、早くに離婚したい夫が、早くに離婚するために相場よりも相当大きいお金を支払ったケースはあります。」
      という回答をした。
      山名恵子は、その点を理解をしたのかは分からないが、小首をかしげて、「弁護士さんに依頼をしようとしたらどうしたらよいのでしょうか。」
      と聞いてきた。
      小首をかしげた時の彼女の目を、私は一瞬、高貴な猫のようだと思った。前にいる私を見ているようで見ておらず、男は全て自分にとって上から見下す存在であるというような目である。

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