新人弁護士が入ると、以下のようなことを意識している。
1、偏った事件ばかり担当させない。
2、いきなり全部任せない。
3、いきなり難しい事件を担当させない。
4、ある程度進んでいる事件は担当させない。
5、ある程度の期間、連絡文書一つでも確認し、修正した方がよいところがあれば、指摘して、その理由も説明する。
6、ある程度経験を積んだら、この分野はその新人弁護士というような分野を探す。
7、そうはいっても、何もかも私がしていると、自分で考えなくなるので、適度に考えてもらう。
8、現場に行かないといけないようなものは行ってもらう。
1は、交通事故の損保側の事務所で、加害者側で被害者側から色々と言われて、疲弊すると聞いたことがある。
2も、いきなり記録を何冊も机に置いて、説明せずに「やっておけ」とだけ伝えた結果、直ぐに勤務弁護士が辞めた例を聞いたことがある。
3も、自分が書きたくない書面を勤務弁護士にさせるなどもってのほかである。
4は途中から入ると、本当にやりづらい。
5はディテールにこだわらないと思わぬところで足下をすくわれるからである。
6は得意分野を作って欲しいからである。
7は育たないからである。
8は私もある程度予定があるので、勤務弁護士として助けてもらうためである。
最初の勤務弁護士は、大阪高裁からの期日の帰りに、鞄から少年事件の記録を出して、午後は鑑別所に行ってきてねと言ったことを記憶している。
人を育てるのは難しい。