なぜ弁護士になったのか
たまにどうして弁護士になったのかを聞かれます。まあ、司法試験の勉強をしても合格する保証もないし確かに何か信念のようなものがないと受験しないようなイメージだからかも知れませんが。私の時代は合格者が600名程度で、合格率は2~3%だったから激戦でしたしね…。今は1500人くらい合格しますが。
基本的には、大学2回生の秋頃に、「あと2年したら就職しないといけないなあ」ということを漠然と考えたことが始まりです。そこで、職業って何があるのかと思って本屋に行って本を買っていろいろと考えていたのですね。
そうすると、私は気に入らない上司がいたらきっと殴って辞めてしまうような性格だし、営業なんかで接待とかおべっかは使えないし、一般企業が無理だという診断を自分で下したのですね。
次は資格試験を探して、国家Ⅰ種を受けて警察官になろうかとも考えたのですが、やりがいという意味でどうかなあと考えたのです。せっかく仕事をするのだから、人のため(警官も人のためなのですが、国家Ⅰ種だとキャリアなので現場には出ない)になる仕事をしようと考えていると、法学部だから司法試験があるではないか!という単純な発想で、検察官・裁判官・弁護士がどんな仕事をしているのかという本を買って、読んでみると格好がいいことばかり書いていたんですね。
そこで、「これだ!!」と思って検察官を目指して勉強を始めたのです。なぜ検察官かというと、公益の代表者で、推理小説好きだったから。
しかし、その後いろいろと話を聞くと、検察官にも上司がいるということだったり、自分の性格からして弁護士だと周りから太鼓判を押されてその気になっていたのですが、何かの時に「判断するものが一番権限があって、日本を変えられるかも」と考えて、司法研修所に入った時には裁判官志望でした。
ただ、現実の裁判官を見ていると、日本を変えてやろうという気概もなさそうな人が多いので、やっぱり自分の性格に向いていると言われていて自分でもそう思っている弁護士にすぐに方針変更しました。
このように、私は割と節そうがなかったのですが、今では弁護士が天職だと思っています。始めから「俺は絶対弁護士だ~」とか言っていた友達が検察官になったりと、割と志望は流動したりして、その男も今はだいぶ偉いさんです。
あまり何志望というのを固めている人も視野が狭くなるような気がしますしね。
ある元検察官の弁護士が言っていたのは、「出来る奴は検事やっても、弁護士やっても裁判官やっても出来る。あかん奴は何を志望してもアカン」ということらしいので、法律家の根本は同じではないかと思いますので、志望が流動的だからといって、いいかげんとは言い切れないのですねえ。
| 固定リンク
コメント