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2006年3月28日 (火)

弁護士の靴

 雑誌を見ていると、東京の大手渉外事務所などの企業法務や外国との契約締結を仕事にしている、今もっとももてはやされているタイプの弁護士が掲載されていたりします。
 彼らによると、「法廷にはほとんど行ったことがない」「ヤミ金なんかと怖くて対応出来ない」「暴力団が事務所に来た事なんてないし、暴力団と交渉なんてしてるの?中ちゃん怖くないの?俺だったら怖い」ということのようです。
 まあ言ってみれば、こういうタイプの弁護士は、依頼者・事件の相手方のうらみつらみやドロドロの関係に巻き込まれることのない弁護士です。
 年収も億単位から数千万円という高収入を得ています。普通は私が前に書いた委員会活動という公益活動もしていません。タイムチャージ制を取っていたりして、私の経験した案件でも、相談して1枚のペーパーを書いただけで、50万円の請求が来たとかいう話もあり、今弁護士が高いと誤解されている要因を作っている1つの原因ではないかと思っています。
 いかんいかん…。これを書くのが主題ではないんや…。本題に戻らないと…。
 そうした雑誌に載っていて、「弁護士のファッション」とかいう記事に掲載されている弁護士は、「ニューヨークで買ったお気に入りの靴」だとか「スペイン製で週末には念入りに手入れしています」として、数万円から数十万円しそうな靴を見せて、ふかふかの絨毯で笑顔で載っていたりします。
 では一般の弁護士の靴は…というと、人それぞれなので何とも言えませんが、私や周囲の普通の事件をしている弁護士を見ていると、
 1、不動産の明渡などで、汚い現場に踏み込むことも多い。これはまた機会があったらお話しますが、明渡でひどいケースもあります。人糞だらけとか…。そんな場所に「この靴はニューヨークで…」なんて言ってられない。
 2、雨の日に裁判所に歩いていかないといけない
 3、自転車に乗ることも多い
 4、現場や打ち合わせなどで結構歩く
 ということから、高級な靴を履いている人もいますが、たいてい歩きやすくて柔らかい靴を選択しているような気がします。私も高い靴を持っているには持っていますが、一度その靴を履いて、冬に西舞鶴警察署と東舞鶴警察署に当番弁護士の出動依頼があり(当然1日仕事)、東舞鶴警察署から雪の降る中を東舞鶴駅まで歩いた結果、ものすごく足が痛くなったことなどがあり(いい靴って革が堅かったりしますよね)、今は「弁護士の仕事には移動が必要。移動するためには歩きやすい靴」と思って軽くて柔らかい靴を履いています。

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