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2006年3月 1日 (水)

多重債務(借金)

ももさん、LOSTさんコメントありがとうございます。私は弁護士は天職と思っていますが、あくまで仕事と考えています。基本的には事件というものはお金をもらってするものですし、お金をもらうことで弁護士側の責任も生まれてきます。趣味には責任がついてきませんから…。法律が趣味というわけではないのです。趣味はホームページの方にも書きましたが、読書、サッカー、釣りなどがありますし、けっこう休んでいますよ。

また、公益活動は、弁護士がお金儲けだけに走らないように義務づけられているものですが、全くやっていない弁護士もいます。東京には3つ弁護士会がありますが、そのうちの1つの会では、公益活動を義務づけるために、一定の公益活動をしない場合には制裁金が科せられると聞いています。国民がみな公益活動をするような社会は理想ですが、生きていくために必死な状態では、他人のために公益活動は出来ないですよね。

今後、弁護士が大増員される時代になり、弁護士も競争をしろと小泉政権の規制緩和政策は言っていますが、競争ばかりしていては(もちろん多くの弁護士は現在でも経営努力もしていますが)、高い倫理性は欠如していくのではないかと思いますし、公益活動をする弁護士も減るのではないかと危惧しています。

さて、冒頭のタイトルですが、テレビでは「借りすぎに注意しましょう」として、かわいい女性をイメージキャラクターとして収益を伸ばしているのが消費者金融です。しかし、消費者金融が取得している金利は、法律で制限された利率よりも高いものであり、民事上は取得することは違法です。ただし、刑事罰がないので借り手に金利の規制があることを告げず貸し付けているのです。また、我々弁護士が実感するのは、融資の審査がずさんだということです。テレビでは、あたかもバランスが大事と言っていますが、貸し付ける時の審査はずさんです。貸出をしないと、利息収入が入りませんから、テレビのCMとは逆のことをしているわけです。

しかし、消費者金融は、①取立になると貸付の際とはうってかわって厳しいので回収が出来る見込みと②高い金利で貸し付けているので、ハイリスクハイリターンが見込まれるので、このようなずさんな融資でも大丈夫なのです。

借り手側から言えば、もともと、生活費が足りないなどの理由で借りているのに、返済まで入ってくるとまた毎月が足りなくなって、さらに借りる…ということで何件もの消費者金融から借りて借金が数百万円ということになってしまいますが、この状態が多重債務と呼んでいます。ちまたには、多くの借金整理法の本が出ていますが、借金の整理は弁護士が専門家ですから、資格のない人に依頼や相談などは絶対にしないようにして欲しいものです。

具体的には、破産、債務整理、個人再生という手続があります。詳しくは私のホームページを見てみて下さい。

この多重債務者救済も私のライフワークの1つで、平成15年度と16年度は消費者サラ金被害救済センター運営委員会の委員長もしていました(今も委員です)。

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