恐怖の小又川バンガロー3
少し歩き出すと、バンガローの管理人が我々を見つけてくれ、下のバス停まで自動車で送ってくれるという。「軽トラックの荷台やけど」という話だが、睡眠不足で疲れきっいる我々からすると、ありがたい話である。
S井が助手席に座り、残りの3名は荷台に。
さすが慣れている道か、渓流の道を軽快に走る軽トラ。
「やっばり地元の人は道に慣れているから運転がスムーズやわ」などと話ていた。
心なしか、そうした声に気をよくしたのか軽トラの速度が上がる。
少し走ると、対向車が来たので、崖側によけていったん停止して再発進…。
しかし。
バックするはずが、ギアが前進に入っていたため、崖の面に自動車がめり込んだ。
ガコンッ。
荷台の3人(私も含めて)は荷台ですっころんだ。慌ててギアをバックに入れる管理人。目が血走っている。地元のドライバーとほめられた矢先だけに、あせっているようだ。崖の反対側は渓流で結構急流だ。
バックで思い切りアクセルを踏み込まれたらえらいこっちゃ。渓流に車ごと落ちたくない。
ここでさすがS井である。私が喫茶店の店長に切れた時やその他の切れた時に、いつも横で「あかんで。」と冷静になだめる男(ちなみに、最近は私もすっかりおとなしくなりました)のことはある。さりげなく、管理人に話しかけている。そのおかげかどうかは分からないが、無事にバス停に着いた。
後でS井に聞くと、「たいぶ慌てていたので、落ち着かせるように当たり障りのない話をしていた」とのこと。
だてに22歳でじいさんのような寝方はしないということか。
帰りのバスと特急では、全員が泥のように眠りこけて、何も覚えていないが、無事帰郷。
渓流に落ちなかったおかげで、我々4名は無事に48期司法修習生として、研修所に入所したのだった。研修所入所後しばらくは、我々4名が寄ると、「あの夜は寒かった」「崖につっこんだ時はどうなるかと思った」という話ばかりしていたのだった。
S井は京都修習で、かのN村T雄弁護士の修習生となり、N村事務所時代にこの小又川バンガローでの一夜のダメージが続いており(ウソ)高熱を出したそうで、「中君、S井君はそんな時でもお母さんが来てはったんやで~」とN村先生にちくられている(今では沖縄美人の奥さんがいるが)。
終わり
(注)恐怖の小又川バンガローというのは、我々の装備が不十分だったがために偉い目にあったというだけで、バンガロー自身には何にも問題はありません。
※ そのうち、弁護士に成り立ての頃、高校時代の友人と奈良県天川の渓流に行った時の話も書きたいと思っています。
しばらくはまじめなブログを書きますが…。
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