« OJTその1 | トップページ | 若い弁護士は依頼してもだめなのか? »

2006年9月23日 (土)

OJTその2

 引き続きOJTについて。
基礎的な知識をもって司法修習をし、その後弁護士になった後も研さんは必要であることは前回に書いたが、次に必要なのは実地でどのようなトレーニングを積むかが重要である。当たり前の話であるが、手本の対象となる弁護士は意外に少なく、修習時代の指導担当弁護士、ボス弁、仕事を通じて共同で事件をしている弁護士などの姿を見て学んでいくしかない。
修習指導担当もいい加減で、ボス弁もいい加減であったりすると、その弁護士の弁護士人生は悲惨である。私の周りにも、「自分では出来ている」と思っているけれども、周囲にいる全員からバカにされている弁護士はかなりいる。
さらに、ボスが費用によって事件処理の仕方を変えたり(お金になる事件は一生懸命やったり、名声が得られる事件はやるが、そうでない事件はやらない)、ボスが受けた事件について無責任であったりすると(すぐに辞任したり、事件の処理について基本的方針がないので、端から見ていたら何がしたいのかよく分からない)、「こんなもんでいいのだ」としてそういった処理をしてしまう。
 司法修習生の就職はなくなってきているが、そうだからといってあまりにも悲惨な事務所に入ると、あとの弁護士人生が狂ってしまうし、そのあたりが困るところであろう。
 だいたい、入りたいと思う事務所があるのであれば、その事務所の評判は、他の弁護士に飲み会で聞くとよいと思う。聞いて、反応が誰からもない事務所は、弁護士の中でも認知されていないので、どうかと思う。弁護士の中での認知度の高さというのも弁護士の力量を知る上では重要である。
また、「いいたいけど中々人の悪いことはなあ…」という微妙なニュアンスが返ってくる事務所は「よくない」といわれているようなので入らない方がよい。ただ、聞く人を間違えるとやっかんでそういったことを言っている可能性もあるので、必ず複数の弁護士に聞いてみることである。
逆に、相当複数の弁護士が、「あの弁護士はあほである」とレッテルを貼っている弁護士は間違いなく能力がないし、仕事のやり方がまずいのである。
そういう意味で、複数の弁護士から高い評価を受けている事務所は、ほぼ入りたいと思っても間違いないであろう。
ただ、こうした弁護士の中での評価と、修習生の評価とはずれることがある。修習生は、就職のために事務所訪問をした時に高いものを食べさせてもらえれば、「いい事務所」と思ってしまうが、それが本物かどうかは、他の弁護士の評判と合わせてみないと分からないのである。

|

« OJTその1 | トップページ | 若い弁護士は依頼してもだめなのか? »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: OJTその2:

« OJTその1 | トップページ | 若い弁護士は依頼してもだめなのか? »