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2006年9月24日 (日)

若い弁護士は依頼してもだめなのか?

 2回ほどOJTの話を書いて、弁護士には一定程度の経験が必要と書いた。
では、経験がない登録したての弁護士はだめなのかというと、そうとばかりも言い切れない。経験のなさを熱意であったり、緻密な調査で補ったりして、ベテラン顔負けの活動をすることもある。
逆に、経験はあるが、歳がいってしまって、事件に対して熱意がなくなり、おざなりな処理をしている弁護士もいる。
ただ、紛争というのは、戦うばかりがよいといえない側面もあり、話し合いで解決しないとどうにもならない事件だってある。こうした事件で見通しを誤り、「イケイケドンドン」で突き進んで、事件がいかんともしがたい状況になることもある。
こうした場合に、解決を見据えて進行していると、依頼者は、「もっと私の有利なことを言ってやって欲しい」という不満がたまることなる。当然事件の見通しについて説明するのだが、納得されない人も中にはいる。
 逆に、100%自分の主張が認められないと、これを全て依頼した弁護士の責任に転嫁してくる人もいる。もめ事には必ず相手がいて、相手にも言い分があるから紛争になっているのであり、100%の解決というのは中々難しい。
このあたりが弁護士の仕事の難しいところなのである。依頼者にとって100%ではないかもしれないが、弁護士の目から見て最高の解決となったとしても、不満が残り、その点を、「事件に対する熱意がない」とか、「若いから経験がない」とか不満をたらたら述べられることもあるだろう。結果から遡って後出しでいろいろいうのはもっともやってはいけないことなのであるが…。
 逆に、私などの目からみて、たいした活動もしていないのに、多額の着手金・報酬をせしめて、なおかつ依頼者からも感謝されている弁護士もいる。こうした弁護士は、訴訟をする活動能力はないが、依頼者に不満を抱かせないこつを持っているようである。これも一つの才能であろう。
もちろん、私の場合も、ほとんどの依頼者は「依頼してよかった」「本当にありがとうございました」と言ってくれ晴れやかな表情で帰っていかれるのだが。
弁護士になってからの年数や経験だけではないので難しい。

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