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2007年1月30日 (火)

借金の整理法

 借金の整理には大きく分けると3つ方法がある(個人の場合)。一つは破産。2つ目は個人再生。3つ目は債務整理である。重要な話題なのでまた書いてみる。基本的には弁護士を依頼されることをお勧めする。費用を支払う値打ちはあると思う。

 破産は持っている財産をお金に換えて債権者に債権額に応じて分配して、残った借金について免責(法律上の支払義務をなくすこと)を目的とする手続きである。ただし、一般の人が普通に持っている財産程度であればお金にかえることなく、破産事件は終了し(これを同時破産廃止という。)免責をするかどうかだけを審査する。家財道具が取られることは原則ない。
 もちろん誰でも免責がもらえるのではなく、浪費やギャンブルなど、一定の行為によって破産した人には原則的には免責は認められない。原則と書いたのは、事情によってはそうした行為があっても裁量免責というものが貰えることがあるからである。
 破産しても意外に制限は少ない。弁護士になれないとかの制限はあるが、普通の職業であればまず安心である。
 ただし、住宅は手放す必要がある。

 住宅ローンを支払いながら、基本的にはそれ以外の借金の債権額の5分の1を支払えば残りが免除されるという手続きが個人再生手続である。破産が全く支払わない手続きであるのに対して、これは5分の1を支払うことで残りが免責される手続きである。もちろん要件を書き出すとここには書けないので、詳しくは弁護士に相談されることである。これは浪費などの理由があっても問題にはならないところがポイントでもある。

 最後は債務整理で、これは利息制限法に従って正常金利で計算した金額を全額返済する手続きである。同じような手続で、簡易裁判所で行う特定調停という制度もあるが、債務整理は基本的には裁判所を通さないところが異なる。

 借金がある人は、相談費用から「高いのではないか」「相談費用があったら今日の支払に」と悩まれていることが多いが、たいていの人は相談だけであれば、司法支援センターの法律扶助相談が使えるので相談料を無料にすることも出来る(ただし、支援センターに登録している弁護士のみ)し、京都弁護士会の多重債務相談は初回無料である。
 私も支援センターに登録しているので、私に相談される場合は、紙にちょこちょこっと書いてもらえれば相談料を無料にすることが出来る可能性が高い(国が支払ってくれるのである。)。

 また、弁護士を依頼した時の費用について悩まれている場合は、その支払い方や金額も含めて相談されることをお勧めする。
 もっと早く来ていれば、親族が弁護士費用を出してくれたかも知れないのに、借金の返済で借りまくって、もう親族も出してくれない…という人がかなり多いからである。

 弁護士を依頼すると、貸金業規制法という法律で、借りている本人に貸金業者は連絡が出来なくなるので、支払を停止しても怒鳴り込まれることもほとんどないこともよい点である。

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2007年1月29日 (月)

過払い金返還請求

 だいぶ前にも書いたと思うが、貸金業者の貸付利率は、利息制限法という法律に大きく違反して貸し出されているので、これまで支払いすぎた利息は元本にその都度組み入れることが出来る。
そうすると、長期間にわたり支払っていれば、既に「支払う必要がない」場合もあるし、過払い金を取り返すこともあり得るのである。

 私が弁護士になった頃には、過払い金返還請求をしている人は希であったし、利息制限法を貸金業者に主張している弁護士も少なかった。ベテランの先生に利息制限法のことを話ししても、「え?貸金業者には利息制限法って主張できひんのと違うのか?」などという人もいたのである。

 今は利息計算のソフトが無料で配布されたり(私も1つ作って弁護士会で配布されていた。今も私が作ったもので計算している人もいるようである)、市販されているので、パソコンを叩けばよいだけとなったが、表計算ソフトがなかった時代には、これを手で計算していたのだから、中々利息計算で引き直すというのは普及しなかったのだろう。
 私は弁護士になって2年目くらいの時に、これではいかん、消費者金融天国だと思って、表計算ソフトを作って弁護士会で配布し、講義もしたのであったが、当時はあまり利息制限法での計算はメジャーではなく、よく消費者金融と電話で大げんかしたものである。
 当時はよく「利息制限法は認めない」などと言われたりもしたが、今はそんなことをいう業者もいなくなった。

 ただ、時々相談に行くと、「新聞で見ましたけど、私もグレーゾーン金利を支払っていました。過払いになってないかと思いまして」というので、いつ借りたのかを聞くと、「1年前」で、残債務はまだ「100万円ある」と言っていたりする人がいる。
 足し算引き算をしても、まだ10万円くらいしか返していないのに、100万円の元金が過払いになる訳ないやろうとげんなりすることがあるが、消費者金融の被害が減少すれば減少したで、どこかで消費者を食い物にする輩は出てくる訳で、中々戦いは終わりそうにないのである。

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2007年1月28日 (日)

高配当をうたう消費者被害

 高配当をうたう消費者被害というものは後を絶たない。手口は皆同様で、さも高配当が得られそうなうたい文句で老人や一般の主婦等々から資金を集めて、一部約束どおりの配当をする場合もあるが、最後には配当が出来なくなり、元本すら返って来なかったというパターンで終了する。

 まず、こうした事件の場合、①そもそも配当をすべき商売の話自体が虚偽である場合と②配当を得ようとしていろいろやったが、その商売がうまくいかずに配当も元本も出来なくなった場合とがあるが、①でも②でもこうした投資話を持ちかけている首謀者とその周辺人物が個人的に集めた資金で豪遊したり、私的な用途に集めたお金を使ってしまうことが多い。

 こうした投資話を持ちかけた者の末路は、逮捕されて詐欺で実刑となるというものであり、お金を預けた被害者は、元本の本当の一部でも戻ってきたらよい方で、全額泣き寝入りということも多いと思われる。こうした投資話で資金を集めようとしている人がいるなら、一時は豪遊して高価なブランド物の時計などを着けられるかも知れないが、最後は塀の中で相当期間暮らさないといけないことを覚悟しておく方がよいだろう。

 また、いくら弁護士でもない者からは取れないので、こうした場合に弁護団を結成して何らかの対応を取ろうとしても、会社が破産していたりすると、その破産に対する債権届出だけを代行するという程度のことしか出来ないことになる。このような場合に、被害者の方から、「弁護士を依頼しても泣き寝入りか」と罵られることもあるようだが、基本的に法は万能ではないので、相手方に資産が残っていれば何とか取れる措置もあるが、何もない人からはどうしようもないことの方が多い。

 こうした消費者被害は、ほとぼりがさめるとまた世間をにぎわすことになるが、被害者の方も、そんなうまい投資話があったら皆やるであろうから、「そんな話はある訳がないのである」。そうした話があった時には頭を冷やしてよくよく考えてもらって投資しないようにされるしか、こうした被害が世の中からなくなることはないのかもわからない。ただ、人には欲というものがあり、金銭欲はなくなるものではないだろうから、中々難しいのかも知れない。

 なお、社会保険庁でも不必要かつ不採算な年金施設を建設したことが問題となったが、年金でも社会保険庁が集めたお金は自分のお金ではなく、国民に将来年金として支払うべきお金であるのに、あたかも自分たちのお金のように不必要な施設に湯水のように使ってしまったり、国が建てる不必要であると常識的に見れば思える施設や、国会議員の不必要と判断される特権というものを見ても、手元にお金が来ると、「国民からの預かり金」であっても自分のお金のように錯覚する人が多いというるのかもしれない。

 我々弁護士が、そのような倫理観で仕事をすれば大変であり、顧客の預かり金は預かり金として別口座で管理している。
 手をつければ業務上横領罪である。その意味からすれば、国の大半の機関は国民から預かった税金を自己の利益になるような用途に使ってしまっているので、背任罪とはいえるかも知れない。

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2007年1月25日 (木)

内職商法

 ここのところ、雑談が多かったので、一般の人にも、法律家初心者のためにもなる消費者被害ケースを紹介している。

 仕事を紹介、斡旋すると称して募集があるので応募したところ、まずは仕事をするためにはこのパソコンとソフトを購入してもらわないと困るということで、一定の基準まで達したら業務を紹介するなどとしてパソコンなどを売りつけるという手法の消費者被害もある。
  もちろん仕事など紹介はなく、最終的には業者と連絡が取れなくなり手元には使い道のないパソコンと、クレジット契約だけが残るということになる。内職をして少しでも家計の足しにしようとした主婦などが狙われる。

 こうした販売契約は、販売されるパソコンを利用して、業務をあっせんすることによる利益を収受し得ることをもって、そうした主婦を販売契約に誘引したものだから、特定商取引に関する法律第51条でいうところの「業務提供誘引販売取引」に該当する。
 従って、クーリングオフ期間内はクーリングオフは可能ということになる。

 その一方、クレジット会社との間で締結した立替払契約書には、本件販売契約は、商行為となるため(本人の仕事に使うからという理由なのだろう)、クーリングオフ規定の適用はないとの印刷がされていることがある。
 しかしながら、販売契約締結時点では主婦は特段事業は営んでいないことから、商行為には該当しないことは明らかなので、このような記載は無意味だと私は考えている。

 そして、当該記載が有効であるとすると、業務提供誘引販売取引の場合にクーリングオフが全く適用できなくなってしまうもので、こうした記載は、クーリングオフに関する記載がされていないことと同視出来るものであるとも考えている。

 さらに言えば、このような記載は消費者の無知につけ込みクーリングオフが出来ないように妨害していると言えることもこれまた明らかであるから、本件においては、経済省省令46条の2第1項に基づくクーリングオフ妨害を解消するための書面が交付されるまでは、クーリングオフ期間は進行しないともいえるのである。
 こうした契約においては、クーリングオフを主張して、クレジット会社と戦うことが重要であるし、これらは消費者契約法で取り消すことも出来る契約なのである。

 いくつか交渉で、和解したケースがあるが、最終的にはクレジット会社は裁判が出されるのが嫌なようである。敗訴判決でも出れば困るのであろう。

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2007年1月23日 (火)

デート商法

 20歳になった途端によくある消費者被害として、「デート商法」があげられる。

全く女性に縁がなかったA君のところに20歳になった途端に、高校時代のクラスメイトの女の子から電話がかかってくる。「暇だったら会えない?」というので、出かけていくと、店舗に連れて行かれてネックレスをつけられて、「似合う~」などとはやし立てられる。
そこで女の子と楽しくおしゃべりしているうちに、ネックレスかっちゃいなよ、となる。
購入の方法はクレジット会社を利用しての分割払いである。月々1万5000円程度なら…と購入を決定。女の子も喜ぶ。もっとも、こうした商品自体、価格が不当に高いということが言われている(質屋に持っていくと、数十万円もするものではなく、定価でせいぜい数万円といわれる)。クレジット契約というものは、クレジット会社が購入者に代わってこの代金を「立替払い」する。購入者は、毎月この代金の分割分に、クレジット会社の手数料を乗せたものを支払っていくわけである。

 通常の分割払いで購入するのと違うところは、販売店には、クレジット会社から一括でお金が入るので、資金繰りがしやすくなり、少ない元手で大きい商売が出来るということにある。クレジット会社は、基本的には手数料が主たる収入の大きいものであるから、契約が数多くないと収益があがらない。そのために、多少怪しい契約でも審査を通してしまうのである。だから商品の価格の調査などはずさんである。購入者にとっては、実はクレジット契約はあまり利益はないのである。

 こうしたデート商法の特徴的なところは、次々に商品を買わされて、最初は1万5000円だった支払が、5個も6個もアクセサリーを買わされて、毎月の支払が7~8万円となっていたりする過剰な支払となっているにも関わらず、クレジット会社は安易にクレジットを組んでいることである。

 さらに、被害者は女性と話をするのが楽しいため、被害者意識があまりないことも大きい特徴である。

 消費者契約法とか、特定商取引法で何とかしようとするが、おおむね所得が低かったり、学生であるため、支払に窮して、信販への返済のために消費者金融で借りていたりして、クレジット契約だけを解決しても他の債務が支払えないため、破産となってしまうことも往々にしてある。

 なお、破産となると、アクセサリーの所有権はクレジット会社にあるため、これを返却しろと要求してきて、これを転売してその差額を債権が存在するとして請求してくるのであるが、だいたい30万円とかの価格でクレジットを組まされたアクセサリーが、転売すると3万円にもなればよいほうなので、いかに価格設定がいいかげんかがわかろうというものである。

 20歳になったからといって、安易にクレジットを組まないことが重要であるし、こうした呼び出しを受けたらその女の子は完全に販売店とグルであるから、早々に立ち去ることである。

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2007年1月21日 (日)

名義貸し

 大学入試シーズンであるが、大学に入り20歳となると、未成年者ではなくなるため、多くの誘惑(ここでは、消費者被害的誘惑とするが)がある。
その中で、もっとも多いのが「名義貸し」である。私の事務所のホームページでも書いた話題であるが。
先輩などから、「いいバイトがある」として、その中身を聞くと、「消費者金融に行ってお金を30万円借りて来るだけで、その中から5万円もらえる。あとの25万円は、ある人に渡せば、その人が返済してくれるから、割のいいバイトだ」「他の人を紹介すれば、5万円貰える」として、「濡れ手に粟っスね」などと言ってバイト感覚で金を借りて友達を紹介して…。

 最後には、「ある人」がお金を返さなくなって、消費者金融から督促が来るというパターンである。知人から泣きつかれて、「自分では借りられないから、あんたの名前で借りて欲しい。絶対に返すから」というパターンもある。後者の例は、後々破産に至る人によくある最初の借り入れ例でもある。

 お金を貸す方からすれば、そのお金を何に使おうが知らないのであって、あくまで借り主は名義人である。前の例でいえば借りた学生であり、後者の例でいえば頼まれた人が借り主である。消費者金融との関係では、「自分は名前を貸しただけです。借りた人に言って下さい」は原則通用しない(消費者金融が知っている場合は別だが)。
 こうした名義貸しは、後になって名義を借りた人が返さなくなる確率は私の経験上100%である。そもそも、自分で借りられるのであれば、自分で借りるはずであり、自分で借りないのはその時点で返済能力に問題があるからなのである。

 学生の例だと、最初被害に遭った学生は、「よいバイトだ」ということで次の学生を引っ張り込んだ時点で加害者にもなってしまう。そうすると、それぞれの学生の間で、加害者と被害者が出来上がってしまうのである。

 こうした事例は日本国中どこかで発生している。そんなに簡単にお金が稼げれば、世の中苦労はないはずである。笑う人もいるであろうが、有名国立大学の学生でも引っかかっているのである。

 もしこうした被害に遭ったら、最寄りの弁護士会の法律相談に行かれることであるが、消費者金融と、真の借り主が「グル」のような場合でなければ、中々抜本的解決は難しいのが現状である。

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2007年1月19日 (金)

電車の席

 たまに外国のバスや電車の映像を見ると、すしづめで座っていたりするが、日本人は電車に乗ると、まず空いている席の窓側から座っていき(中には通路側に座ってしまう人もいるが)、それが埋まってからもう一方の席に座り出す。席が空いていても、微妙な空き方だと立っている(私もその1人だが)。微妙な緊張関係がそこにはある。どうでもいいといえばどうでもいいのだが。

 何かの本で日本人は、人に接触されるのがどの人種よりも嫌いなので、電車なども空けて座りたがるというようなことが書いてあったような気もする。欧米人はハグとかをよくしていたり、握手を求めてきたりするが、日本ではあまりそういったことはしない。

 統計によると、半径2メートル以内にいる人に対して好意を抱く確立が非常に高いということであるから、日本人はそうしたことになる蓋然性を、無意識に避けているのかもしれない。

 ただ、明治維新前、欧米の文化が入ってくるまで、日本の性文化は極めて鷹揚であったようであるから、そことの整合性はどうなんであろうと考えてみたりもする。
 

 また、電車の席は、女性+女性、男性+男性で座っていることが多いが、通常の体格であれば、女性+男性で座った方がゆったり座れて合理的であるが、そういうこともしない。

 「それでも僕はやってない」という映画のように、男性が無実の罪で痴漢扱いされたりしないよう、危険を未然に防ぐため、「君子危うきに近寄らず」ということなのであろう乎(五味康祐風)。無罪と無実は違うと書いたが、無実でも有罪にはなることが往々にしてあるであろうからである。

 今週は忙しくて疲れた。
 どうでもいい話でした…。

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2007年1月18日 (木)

期日のすっぽかし

 民事の期日を間違えてすっぽかしたことはない(記憶ではそのはず。病気で出頭出来なかったことは別)が、刑事の判決をすっぽかしかけたこととすっぽかしたことがある。
  私は民事事件が中心で、民事の判決は聞きに行く必要がないので、刑事もその感覚で判決に対する認識が時として飛んでしまったことや、すっかり忘れていたことがあった(全然よくないことだが)。

 1時10分から判決言い渡しがあり、12時半には覚えていたのだが、そこから電話リース被害の内容証明郵便の起案を開始してしまい、起案に夢中になり、「リース会社見てろよ~。ふっふっふ。」と思ったり怒ったりしながらに起案していて、時計を見ていなかったことがあった。
 当時修習生のM島Aつしが居たのであるが、彼も私から指示した起案をしていて2人で夢中になっていたので時計を見ていなかった。私は期日管理は自分でしていて、事務員に言われなくてもだいたい期日の15分前にはさっと事務所を出て行くので、事務員も少しおかしいとは思っていたようであるが、なにぶん私は自分の期日管理を自分でしているため、しかも修習生も起案しているので、声をかけづらかったのだと思う。

 そうすると、Y本さんが、「刑事部から電話です」とのこと。起案に夢中になっていた私は、一瞬なんのことかわからず、気づいた瞬間血の気が引いた。時間が相当過ぎて居るではないか!修習生に声をかけてダッシュで裁判所へ。息切れしながら法廷に入る。この瞬間は、もの凄い気まずい空気である。このときも謝りながら法廷に入らないといけない。
 そして、判決後は裁判所の仮監獄に被告人に謝罪に行く。自分が悪い時は、きちっと謝らないといけないのである。
 

 その他、勤務弁護士時代に病気になり期日を全て変更してもらった時、判決だけが余白に小さく書き込んでいて事務員の目にとまらず、私も指示していなかったことから、判決を完全にすっぽかしたこともあった。このときも後日拘置所までいって、被告人に謝罪に行った。繰り返すが、自分が悪い時は素直に謝らないといけないのである。

 たまに日を間違えて期日に来ない相手方弁護士もいるし、私のボスも事務所でゆったりしていたら区役所の法律相談から呼び出しを受けていたともあり、人間であるから勘違いや手帳への書き間違いはあるものであるから、そう頻繁でなければ許して欲しいものであるし、私も別に目くじらは立てない。
 ただし、ミスをしたら謝らないといけない。期日をすっぽかしておいて、次の期日で顔を合わせても知らん顔の弁護士もいるが、こういう人は敵を作るのである。

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2007年1月17日 (水)

ニンニクの丸揚げ

 河原町二条にあった「海」という店(移転して今は先斗町にあるのだが)でよくN村T雄弁護士とニンニクのまる揚げを1人1個は食べていた。
平日にも平気で食べていたので、翌日は身体中から悪臭が漂っていたものである。

 ニンニクは食べた直後はそうでもないが、身体の中で化学変化を起こして悪臭を発する。毛穴からも出るので、大量のニンニクを摂取した場合には実はブレスケアは役に立たない。最高ブレスケアを食べた直後にワンパック、翌日2パック食べたけれど全く悪臭が消えなかった私がいうのだから間違いがない。
 テレビでニンニクを食べてその直後息を吹きかけてお笑いタレントが臭い臭いと言っているが、翌日のニンニクの匂いは相当臭いが、食べた直後はそうでもないので、あれはおおげさにリアクションをしているのだろう。

 最高の時は、N村弁護士と2人で5個ニンニクの丸揚げを平日に食べて、翌日は以前勤務していた事務所の事務員であるK田嬢とS嬢から汚物扱いされたこともあった。書類を渡すのに鼻をつまんで二本指で渡される始末であった。

 電車でニンニクを食べた翌日の人が隣に座ると耐えられないにおいだが、自分が臭いと分からないのである。ニンニクは食べ過ぎるとお腹を壊すといい、野生動物も摂取量を調整するということであるが、私もN村弁護士も幸いにしてニンニクの食べ過ぎで胃腸を壊したことはない。

 その頃は、ニンニクの丸揚げを食べながら、日本酒を平日に5合くらい飲んでも翌日平気だったので、ニンニクのパワーはすごいものだと感心していたものである。喘息になったのも、ニンニクを食べなくなった(店が移転したから)かも知れないと本気で考えている。
 ニンニクを食べていた頃は、日本酒を1升半飲んだ翌日に普通にサッカーの練習試合で得点をしたりしていたものである。

 事務所を構えてからは、さすがにお客さんに悪いと思って、金曜日の夜にしか食べないようにしているが、河原町二条界隈には「ニンニクの丸揚げ」を出してくれる店がなくなってしまったので、食べようとすると遠出しないといけないのが寂しい限りである。

 時々ニンニクを食べる会と称して、大量のニンニクを食べているが、ここ最近していないので、またニンニクを食べる会を開催したいものである。
あなたも参加しませんか(知り合いに限りますが)。

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2007年1月15日 (月)

単線列車出張

 昔よく出張に行っていたが、たまに週刊誌などで掲載されているようなローカル線に乗ることも多かった。
 山口地裁宇部支部は、宇部駅にはなく琴芝という駅にあるということを知るのも、地方出張ならではのことである。裁判所の職員の人に最寄り駅を聞くと、5回くらい、「琴芝」で降りてくださいね!といってもらえた。
 この宇部支部に行く電車は単線で、中々風情があり、鉄道マニアではない私でもなんだかほっこりしたものである。電車の中になぜかかごに入れられた鶏が乗っていて、羽毛が飛んでいる。
スーツ姿は私だけで、全員顔見知りのようであり、ちらちらと私が何者か伺っている。
スーツ姿で羽毛の飛び散る単線に乗っている弁護士も中々いないであろう。

 話が少し逸れるが、私が最も通う裁判所である京都地裁の交通の便はあまり良くない。地下鉄からでも少し歩かないといけないし、京阪からでも同様である。
 ロケーションは京都御所の南側で最高であるが、裁判所に来る人からすればあまり便利とはいえないだろう。

 山口地裁は、山口駅を降りて本当に徒歩100メートルくらいのところにあり、物凄い便利である。裁判所はこうあるべきである。
 ただし、山口地裁へ向かう電車は結構女子高生と男子学生が乗ってくるので、中々寝て居られない。高校生は元気だ。

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2007年1月11日 (木)

なんで法律相談がないねん…?

 独立してすぐの頃、朝9時から八幡市の郵便局で法律相談があったので、6時前に起きて(私は家が滋賀県で遠いのである)、京阪に揺られて八幡市の郵便局に着くと、法律相談のパネルが出ていない。「相談に来たのに、手際の悪いこっちゃ!」と憤りながら係りの人を呼んでもらうと、謝罪するでもなく怪訝な顔。
いったん奥に引っ込んで戻ってきた係員はこういったのである。「先生、相談明日ですね」

どひゃー。それで案内のパネルもなかったんか。すいませんでしたと訳の分からないことをいいながらそそくさと郵便局を後にした。「明日やったんか…。そらないわな…。」と妙に納得しながら。
 しかし手帳には今日と書き込んでいたので、明日には別の予定を入れてしまっている。仕方がないので私の後輩のU田Aつし弁護士が弁護士になったばかりであるのをいいことに変わってもらった。

 よかったよかった。

 その翌週。
 今度は別の法律相談の場所に行くと、いつものパネルがない。「怠慢やなー。何やっとんねん」と思いながら聞くと、またいわれたのである。「先生、相談は明日ですね」と…。

 なんでこんなことになったかというと、年末年始にかけて我々弁護士が多用している訟廷日誌というものを新調する際、予定を書き込んだ時に日にちを1日前にずらして私が書き込んでいたからなのである。今回はさすがに変わってもらえる人もおらず、法律相談をさぼるわけにもいかなかったので、やむなくこちらから控訴した事件で、控訴審の第1回をこちらが欠席して控訴状を犠牲陳述(その場で述べたことにしてもらう)するという荒技を使用して乗り切ったのであった。

 それ以来、手帳を写しかえる時には事務員と私の二重チェックをかけるようにしている。
みなさんも気をつけましょう。

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2007年1月 8日 (月)

睡眠時間

 睡眠時間は人それぞれであろうが、ある本を読んでいると、「3時間で足りる」と書いてあった。それ以上は「惰眠」であり、歴史上名を馳せた人は全て短眠であったというのである。テレビを見ていると、明石家さんまさんはほとんど眠らなくても大丈夫だということをよく言っているので、その程度で足りる人がいることは事実であろうが、とうてい私には出来ないと思って実践していない。
 その後、喘息になってからいろいろな健康本を買い込んで来て読んでいると、体と精神が回復するには8時間睡眠が必要であると書いてあったり、他の本でも大酒飲みでタバコを吸いまくり、体に悪そうな肉ばかり食べているのに健康診断ではどこも悪くない人が、1日9時間寝る人であったというような話も書かれていた。
 私はだいたい12時半頃寝て、7時半頃起きているから、7時間ほど寝ている。しかし、これでも足りないと思っているので、とうてい短時間睡眠にはなれそうもない。土日に昼寝をして調整しているほどである。特に喘息になってから朝が弱くなった。
 徹夜も人生の中で数えるほどしかしたことがないし、過去にも睡眠時間を削って仕事をしていたらその後体調を壊したりしたのでなるべく睡眠時間は確保するようにしている。
 3時間ほど寝たら大丈夫という人もいれば、ある程度寝ないといけない人もいるということなのだろう。私は後者のようであるし、世の中のほとんどの人は後者なのだと思う。
 睡眠時間が短くても回復出来る特異体質がうらやましいと思う今日このごろである。

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2007年1月 7日 (日)

物事の表面と裏面

 弁護士をある程度やっていると、その事件が持つ「表の面」と「裏の面」があると感じるようになる。表の面は、依頼者や相手方が話をしたり主張で出てくる事象であり、裏面は弁護士や裁判所には出てこない事象である。
 この裏面をある程度読み通すことが出来るかどうかも弁護士の能力としては重要なことである。事実関係を聞き取る時にもそうした感覚が養われていると、役立つことが多い。分析能力といってもいい。
 たとえば、長期にわたり放置されていた法的問題を決着しようとしている場合には、そうしよう、そうしたいと考えるだけの動機があるだろうし、相手方の対応が豹変した場合にも、何らかの裏事情があることが多い。
 紛争が発生している場合、人間の欲がからんでくることが多いので、そうした側面から分析してみると事件が見えてくることもある。それは金銭欲だったり、性欲だったり、名誉欲であったり、本人の意地であったりといろいろである。
 ただし、あまり裏の事情ばかりを推測していても事実の把握がおざなりになったりするので、そのあたりは程度問題ということも出来る。
 もちろん神ならぬ身であるので、「読み違い」も時にはあるが、裏の事情にこだわりすぎていなければ、全く問題にはならない。
 多角的にいろいろ考えていると、対応にも困らないことが多い。これは想像力ともいえるだろう。ただし、常識的想像力である。

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2007年1月 5日 (金)

トレジャーハンティングクラブ

 私はいろいろな会合を主催している。弁護士同士でノウハウを交換するノウハウ交流会、異業種の士業の交流会、法曹サッカー部、法曹人口問題を考える会等々。
会合を主催してやっていくのが割合好きなのであるが、ほぼ唯一、作って稼働していないのが、表記のクラブである。
 これは何をするかというと、埋蔵金の調査をしたり、発掘にいったりしようかというクラブである。

 私は大阪生まれの大阪育ちでアホなので(関西人でいうところの、「アホや~」と言われて言われた方が喜ぶ方のアホ。私の周囲には豪雪の中サッカーの練習をする連中が揃っており、彼らもアホである。ただし、大阪人の教訓として、本当のアホに向かってアホというと怒られるから注意が必要である。また、東京の人間が、アホと同様な意味で、「バカ」などというと関西人はマジ切れするから注意が必要である)、司法試験に合格して修習に行くまでの間に、本屋で、「日本の埋蔵金百話」という本を見つけて、それを修習中熟読していた。ここに書いてある話が本当なら、日本中埋蔵金だらけである。金儲けというよりは、男のロマンである。

 とりあえず、修習に行く前に明智光秀の埋蔵金の調査に行こうと人を誘ったが、付いてきてくれたのは同じゼミの女の子1人であった。その場で「トレジャーハンティングクラブ」を結成し、無理矢理彼女を隊員第1号に任命した。
バスに揺られて周山に行く。ここに明智光秀の埋蔵金伝説があるというのである。何の当てもなく突然周山に現れた2人は、土地の教育委員会などに突撃して話を聞き込み、埋蔵金伝説に詳しい土地の古老を紹介して貰い、いろいろと話を聞いてお茶まで飲ませてもらって帰ってきたが、はかばかしい戦果は得られなかった(当たり前であるが)。
 しかし、発見に至らなくてもこうした調査を現地に行ってしたりするのは非常に面白いと思ったのでその後も調査に行こうと思っているが、賛同者があまり現れず隊員も3号まで無理矢理入隊させた後は活動が12年間停止している。

 その後はテレビで埋蔵金発掘の番組があると、出ないことが分かっているにもかかわらず真剣に見ている程度であるが、今年あたり隊員を募って(もちろん一般の人はだめなので、弁護士や修習生で)埋蔵金伝説を調査したいと思っているところである。

 貸し出しは知り合いに限るが、私の事務所にある「日本の埋蔵金百話」を一度読んだら、絶対にその気になるはずなので、希望者には貸し出しを行います。一度私の同期の検察官になったS井に貸し出したが、鼻で笑われたが…。K藤S一郎先生、隊員になりませんか。一度酔っぱらって無理矢理隊員にした気もするのだが、記憶があいまいなので…。

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2007年1月 2日 (火)

明けましておめでとうございます。

 明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
平成19年度も、なるべくブログは更新していこうと思っていますのでよろしくお願いします。
 せっかく事務員が留守電を吹き込んでくれたのに留守電にするのを忘れて事務所を出たため、いつまで休みか分からない状態のままにしてしまいました。私らしい失敗といえば失敗なのですが…。昨年体調が少し悪かったこともあり、今年は8日まで休ませていただいて9日から執務開始です。

 みなさんはどういった正月を過ごされましたか。私は28日の仕事納めに例年恒例となっているN村T雄事務所の忘年会に参加し、超泥酔するN村T雄を見た後休みに入りましたが、相変わらずの寝正月です。
 毎日朝ゆっくり起きては昼寝をしています。だんだん体がなまってきていますが、寝るのが好きな私にはこうした休みがありがたいし、これがないとまた仕事が出来ない。

 こうした時に本を出来るだけ本を読もうするのですが、テレビをつけながら読むと中々集中出来ません。大晦日はK-1をずっと見てしまいました。また、昔呼んでいて好きだった「超人ロック」という漫画が完全版で刊行されているのを発見したので、漫画も読んでしまっています。

 今年の抱負としては、私は学生時代から偏った読書しかしていないので、知識や読んだ本が偏っているため(戦国時代もの、金田一耕助シリーズ、レイモンド・チャンドラー、文学も偏ってしか読んでいない)、平成19年度は知識の幅を広げたいと思っています。
 名作と呼ばれるものも敬遠して読まなかったので、夏目漱石くらいしかそのほとんどを読んだ作家がいないので、世界文学や日本文学も少しずつ読みたいと思っています。

 昨年は、ドストエフスキーの「罪と罰」を読みましたが、文学青年ではない私には難しい中身のことはともかくとしてけっこう面白かったので、他の海外文学にも手を伸ばそうかなと。世界史も知識が手薄なので読んでいきたいなと。

 年末年始にかけては、講談社の興亡の世界史6巻の「イスラーム帝国のジハード」という本を読みました。ジハードというものが発生的にどういったものであり、イスラム教がどういった経緯で形成されたのかが簡潔に述べられている好著であると思いました。

 個人的抱負は他にもありますし、仕事の抱負もありますが、これらを書き出すと仕事のことを思い出すので、内緒にしておきます。
 それでは、今年がみなさんにとっていい年でありますように。

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