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2007年2月21日 (水)

60期司法修習生以降の就職

 合格者3000人時代が近づいているが、今後の就職戦線は極めてお寒い状況になるであろう。ほとんどの弁護士はマニュファクチュアなので、突然勤務弁護士を採用しようとしても、1名が限界であるし、そもそも採用のためには、事務所を移転する必要がある事務所も多いことと思われる。

 そうすると、検察官、裁判官への任官についても極めて熾烈な競争が開始されるであろう。検察官と裁判官への任官こそ増員してもらいたいが、予算の関係で増員はあまり見込まれていない。そうすると、3000人の合格者のうち、1000人、2000人の就職浪人が出てきてもおかしくない状況であると個人的には思っている。

 だいたい、日本人は極端から極端に流れる傾向があり、長期的計画を立てることが苦手でもある。司法試験の合格者が500人であった頃から今日の大増員時代に向けての準備期間は極めて短かったのであり、受け入れる側の弁護士の側の体制が不足しているとしても、ある意味やむを得ないだろう。急激に増やしすぎなのである。また、受け入れるとなると事務員も増員しないといけなかったりするので、余計にスペースがないのである(来客室も増やさないといけない)。
 就職できない人が多数出てもよいというのが国民の意思であればそれはやむを得ないが、そうなると世論は弁護士の受入体制を批判することになるかもわからないが、そもそもが無理な計画であったともいえる。

 また、弁護士の仕事は基本的には紛争の解決であるため、紛争がなければよいことには違いないが、紛争がないと飯が食えないという矛盾した論点もはらんでいる。

 企業側も受け入れる体制にないようであるし、せっかく合格しても就職先がなければ、優秀な人材は余計に法曹会に来ないであろう。

 最近若い弁護士を相手をすることがあるが、昔に比べて頼りない人が多くて、「依頼者がかわいそうやなあ…」と思うこともしばしばである(ちろん優秀な人もいますが)。まあこっちに有利になるのでよいという話もあるが。

 どうなんねやろ。

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コメント

中先生
 ご無沙汰しています。

 既に法律新聞でご存知のことと思いますが、愛知県弁護士会は日弁連に対して3,000人増員も見直すべしとする法曹人口問題についての意見書を提出しました。 常議員会でも特に異論の出ることなく可決され、会のHPにも全文掲載されています(会員以外も読むことができます)。
http://www.aiben.jp/page/frombars/topics2/272zinkou.html

(私は、私事で委員会にも出ることができず、意見書作成には何の力にもなりませんでしたが、先輩方がアンケートを実施し意見書の起案もして下さいました。)

 愛知県弁護士会規模の単位会でこのような意見書の提出がなされたことは、非常に意味のあることだと思います。
 これが弁護士に限らず一般の方々にも法曹人口問題を考えていて頂ける契機になればと期待しています。  

投稿: M.T. | 2007年4月 4日 (水) 18時57分

 お久しぶりです。ブログも復活されていましたね。
 表記の意見書は、私は日弁の法的ニーズ・法曹人口のPTのメンバーに入っているので、いち早く資料として拝見しています。
 他のブログで法曹人口問題について書かれたものを見ていると、ロースクール生や受験生、果ては全く関係がない人が茶化していて炎上しているようなものも見受けられました。私がたまたま見たものはに2チャンネルみたいになっていました。もちろん投稿はみな匿名ですが。
 3000名問題をどうするかというのは我々からすると極めて深刻な問題ですが、規制改革関係では司法試験の合格者撤廃論まで出ていますから、3000人以上の増員論も全くなくなった訳ではありません。
 そのあたり、法曹人口問題については、私の方で京都弁護士会の会報(もうすぐ名古屋弁護士会にも届くと思いますが)に簡単に論考を書いていますが、突然激増させれば受入先が不足するというのは当たり前の話ですよね。
 よりよい制度設計が出来るよう、私もまた研究したいと思っています。

投稿: 中隆志 | 2007年4月 5日 (木) 10時17分

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