何は何ですよでは分かりません…
勤務弁護士時代、検察官を辞めた反動で働くのが嫌になった同期のA弁護士が丸太町を歩いて帰ろうとしているのを尻目に夕方から起案していると、ボスがすっと後ろに立って、振り向くと、「中先生、何は何ですよね…」と言い出した。
「え?」と聞き返すと、「いや、何は何ですよね」と同じ言葉。
思わず、「何は何ですよね、では何のことか分かりません」と言ってしまうと、ボスは寂しそうに、「いや、なんなんやけど…」といいながら去っていってしまった。
ある程度弁護士経験をしていると、こうした指示語が多くなるようで、第3の師匠のN村T雄弁護士も、「あのおばさん」が15人くらいいるということである。
ベテランの事務員だと、「何は何ですよね」で、「これですか」「いやそれともこっち」などと記録をさっと出したりするのであるが、私はそこまでの境地に達していないので、思わず、「何は何ですよね」では分からないと言ったのである。
だってわからないんやもん。
そうした私も、最近事務員に、「なにやなあ、M川さん…」「あれは何やでM川さん」などと指示語で話しかけている時があり、どきっとするのである。
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