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2007年2月 9日 (金)

我が第3の師匠N村T雄弁護士

 私の第3の師匠はN村T雄弁護士である。法人の民事再生を一緒にやってもらい、見事再生計画が認可された。そのほかにも一緒に事件をやったこともある。その後私も監督委員を裁判所から任命されるなど、このときの再生の経験が役立っている。

 N村T雄弁護士の弁護士としてすごいところは「筋読み力」と、「依頼者中心主義」である。依頼者の利益を第1に考える姿勢は大変勉強させられたし、事件の筋読みの力はすごく、パートナーで私の大親友のY田S司弁護士に聞いても、「N村先生が筋を読み違えたのは見たことがない」と言っている。私のボス弁は、時々…であったが。

 そのため、依頼者から慕われる一方、依頼者のことを考えるあまり依頼者を叱りつけることもしばしばであり、依頼者は費用を支払って叱られ続けるのである。しかし、N村T雄は絶妙なタイミングで、怒っていたかと思うと突然笑いだし、最後に依頼者にニッコリ笑うと、依頼者はこれで参ってしまうようである。ただし、絶対に他の人は真似しないように。

 酒好きで、私とも2人ででも飲みに行く。同じ事務所のH尾Y晃弁護士は結婚するまでは、晩ご飯代がほとんどかかったことがなかったそうである。賄い付勤務弁護士。いいなあ。酔っぱらった席で、いろいろ弁護士の心構えを教えてもらったし、今も教えてもらっている。もちろん議論するときもあるが。

 酒が入ると周囲が気心が知れないメンバーだとたいへんおもしろい(はっきりいってムチャクチャである)。座敷が好きで、すぐに靴下を脱ぐ。酔っぱらって人のカバンを持ち帰ったこともある。

 親友のY田弁護士と私が飲んでいるところへ電話がかかってきて(もちろんN村T雄は別のところで飲んで自宅に帰るところであったのだが)、「Y田君、僕のカバン知らんか~。タクシー降りたらないんや…」などと電話してきたりしたこともあった。

 チャドクガという蛾が大量発生した年、私とN村先生は弁護士会の常議員会の議長と副議長をしていたのであったが、2人とも揃ってなぜかこのチャドクガの幼虫に刺され(近づいただけで、針を数千本も飛ばすという生物兵器のような蛾なのである)、2人で痒がっていたが、弁護士会の中でチャドクガの話題は我々2人だけなのであった。一度皆さんも刺されてみてください。夏の間中痒いから。

 N村先生には次年度頑張っていただきたいものである(何で頑張るかは秘密である)。私も早く身体を完全に戻そう。

 最近の若手弁護士を見ていると、何となく仕事でアップアップで、多少仕事以外で年配弁護士のようなめちゃくちゃなところがあってもいいのになあ、と思うこのごろである。私もおじさんか。

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