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2007年6月27日 (水)

お金

 お金ばかりが全てではないけれど、お金に着目すると事実の(裏の)流れが解明出来ることが多いことは前にも書いたように思うが、少しまた書いてみたい。金銭欲は、人間の持っている欲のうちもっともわかりやすいともいえるかもしれないからである。

 報道によると、公安庁元長官は朝鮮総連側からも「謝礼」をもらっていたとされている(1億円とかいう報道もある。個人の破産事件を315000円実費込みで受けるとすると、実に317件分である。私のお昼ご飯代は大体平均すると600円くらいなので、私のお昼ご飯の16万6666回にあたる。456年分の私の昼飯代である。いかに高額かがわかる。いわなくてもわかるか?)。
 これが事実かどうかは今後判明していくことであろうが、これが事実とすれば、大きいお金の前を出されたときに、ぐらついてしまうようであれば、かの人は即刻弁護士は辞めた方がいいだろう。弁護士は費用は貰うけれど、お金だけで動くのではないからである。園意味で、私は「先生を雇うのにいくらかかりますか」と言われるのが大嫌いである。いくらお金を積まれても引き受けられない事件はあるし、現に過去あったが、全て断っているし、弁護士というものは「雇われ」はしないものだからである。

 また、公安庁元長官が、事件の相手方から利益の供与を受けたということであれば、弁護士法上も懲戒の問題が発生するように思われる。事件の行く末がどうなるかである。

 一方、この分だと、元日弁連会長も、朝鮮総連側からそれなりの着手金をもらっているのではなかろうかと勘ぐってみたくなる。私などからすれば、2人とも高齢だし、そんなにお金が必要とも思えないが、あればあるほど欲しくなるのがお金ということなのだろうか。
お金がない者にはわからない話である。

 この事件、朝鮮総連のシンボルがなくなってしまうことは避けないといけないから、売買を進めたという弁明を2人はしているが、それが本当に本件事件を引き受ける趣旨であったとしても、それは本来いち弁護士あたりがどうこう出来る問題ではなかろうし、それが出来ると信じていたとすれば見当違いもはなはだしいように思われる。
そこまでいうなら自腹を切ればよいのである。仮に買主を探すとしても、彼らが無報酬でやっているというのであればその弁明も「なるほど」となるであろうが、元公安庁長官に大きいお金が流れているということが事実であったり、土屋元会長がやまほど総連側から費用を取っていたりすれば、そんな弁明は誰も聞いてくれないであろう。それらは本来債権者である整理回収機構にいくべきものだからである(ただし、断っておくが私は本来的には整理回収機構は大嫌いである。ただ、正しい方を正しいと言っているだけである。)。

 織田信長など、華々しい活躍をした歴史上の人物で、終わりを全う出来た人は中々いない。整理回収機構の詐欺回収問題で引責して弁護士を廃業した中坊公平氏は弁護士に復帰される(もうしたのかな)ようだが、過去華々しい活躍をした時期から比べると、人生の引き際を誤った人物の1人であるように思えてならない。
 土屋弁護士も元公安庁長官も、今回報道されている疑惑が事実であれば、過去に積み上げてきた名声や地位を一瞬で失うであろう。報道されていることが事実であるとすれば、それは裏に金の匂いがぷんぷんするように思われる。

 かくいう私自身は25歳から弁護士をしていることから、12年経った今でもまだ全然若いので、人生の終わりを全う出来るかどうかなどは全く未知数であるし、途中で大転びすることもありえないではないので、偉そうなことはいえないのであるが、やはりお金は弁護士の人生を過たせる最たるものなのかもわからないからさらに気をつけようと思う今日このごろである。

 やれやれ。

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