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2007年6月19日 (火)

喘息

 私は昔から時々呼吸が苦しくなっていたのだが、「人間そんなもんだろう」と思って特に病院に行っていなかったところ、2年前の秋に動けないくらい胸が苦しくなった。その時は「胸膜炎」といわれクスリを飲んで安静にしていたら治ったので胸膜炎と思っていたのだが、昨年の春にまた呼吸が出来なくなり、診てもらったところ喘息であることが判明した。っと早くわかっていれば良かったのであるが。

 喘息は気道が狭くなって息が吐けなくなり、呼吸が出来なくなる病気なのであるが、このつらさはなったものでないと分からないであろう。症状がないときにはけろっとしているのであるが、つらいときは本当につらいのである。

 喘息発作で死亡する人が年間5000人くらいいるということで、はっきり言って重病であるが、小児喘息のイメージがあるおかげで、たいした病気であるとは思われず、「運動が足りないのではないか」とか、「走ったら治るよ」とか、「体調に差がありすぎやで」などという心ない言葉を多々受けることとなるのである(まあ私は分からない人には分からないであろうからと達観していて、心ない言葉をかける人は相手にしていないが。)。

 私はひどいダニアレルギーで、喘息患者の気道は炎症が起きて過敏になっていることから、アレルゲンが入ると発作を起こすということになる。昨年は本当につらかった。

 西洋医学的には、成人の場合完治は出来ないということで、ステロイドという薬を吸引して炎症を抑えるしか出来ないのである。私は現在も気管を拡げる薬(セレベント)と、ステロイドを朝晩1回ずつ吸入している。そのおかげで、今年もしんどい時はあるが、仕事は出来ているし、身体も少しずつ元に戻すために鍛えられるようになった。

 ただ、持病である以上日によってはしんどい時もあり、先日行われた60期修習生の謝恩会(送別会)の日は話をするのもややしんどい日であったが、前に出て話をしなければならず、あまりいつものように話が出来なかった。もっといい話もしてあげたかったのだが、これもひとえに喘息のせいである。

 中には、ステロイド治療は完全反対という説もあり、そのような本も多数読んでいるのであるが、そのような本はたいてい「薬に頼るな。つらいけどいつかは身体の自然が治してくれる」という論法であり、現在仕事を抱えていて対処しなければならないことが山積みの人間には全く向かない治療法が縷々書いているのであって、間違ってはいないのかもしれないが、取り入れることは出来ないのである。

 私は医療過誤弁護団の団員でもあるので、喘息で倒れた時に専門書も10冊くらい買い込んで研究したおかげもあり、いろいろと研究をして体調がラクになるように心掛けている結果、今年は仕事が出来ている。

 その中でも、胃液が食堂に逆流して刺激となり喘息発作が起こることがあるというのは知らない医者もいるようであり、私も胸焼けがあるので抑える薬をせがんで飲んでみた結果、喘息症状も和らいでいる。

 病気を抱え苦労している人間に、その病気のことを知りもせず、気楽にいえる神経は元々私にはなかったが、自分が持病を抱えてからは余計にそういう思いが強くなった。

 もちろん多数の人に物凄い心配をしていただいたし、今も心配してもらっているので、ありがたいことである。困った時の人の気持ちほどありがたいことはない。倒れた時に多くの人に助けられたことで、自分もまんざら捨てたもんではないと思えたほどである。

 加賀100万石の基礎を築いた前田利家は若い頃信長とケンカをして浪人していたことがあったが、その頃近づいてきてくれた人が本当の友達であると述べていたというが、正にそうであろう。

 困った時に助けてくれる人がいる人間でいたいものである。

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