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2007年9月10日 (月)

鳩山法務大臣発言

 遅ればせながら、鳩山法務大臣発言が物議をかもしだしている。3000人合格という政府の方針に対して、「弁護士はそんなにいらない」「合格ありき。ロースクールの存続ありきはおかしい」という発言をしたところ、鳩山大臣のホームページにはロースクール生から抗議のメールが殺到しているようである。

 その一方で、鳩山発言は正しいということでこれに賞賛を送っているメールも多く、この問題の対立が根深いことがわかるのである。

 弁護士の実感からすると、鳩山大臣の発言は正しいと思っている弁護士が多いであろう。地方の過疎地域も徐々に弁護士が増えてきているし、今後の増員と地方誘導策で少しずつ過疎は解消されていくであろう。ただ、司法過疎地域が抱える法的問題点でどれだけの弁護士が飯が食えるかは別問題であり、経済規模からしても都市部ほどは事件がないことが予想されるのである。

 今試験を受けている人達がいうのは、「自分たちが合格するまでは合格者は増やしてもらって、合格した後は減らして欲しい」というのであるが、これは人間である以上仕方のないことなのかも分からない。

 行政や経済界が弁護士資格を有した人材を求めていなかったことが日弁連の調査で判明し、司法改革の際に言われていた「行政や経済界に弁護士資格のあるものが多数求められている」という前提が崩れ、国が予算をつけないために裁判官と検察官が大幅な増員がなされていない現状からすると、3000人を受けて入れていくことは極めて難しい事態である。

 いきなり独立したいというものが出てきているし、就職先がなかった者も一定数出てきている。さらに、不合格者も71名を数えている。

 このままでいけば、司法制度の根幹が揺るがされる事態となるであろう。61期の時代には、物凄い数の就職浪人ないしはいきなり独立が出るのではないだろうか。そんなに簡単に飯が食えれば全ての経営者弁護士は苦労しないのである。

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