今年読んだ本ベスト10
巷で流行の今年読んだ本のベスト10をあげてみたい。ちなみに、今年出た本ではなく、あくまで私が読んだ本なので、とても古い本も混じっている。面白いとか面白くないとかではなく、あくまで私の趣味である。
1位は、ボアゴベの「鉄仮面」である。上下巻でボリュームもあるが、フランスのルイ14世(だったか?)の時代、反逆者として死ぬまで鉄仮面として囚われた囚人は誰かという謎に対して書かれた作品であり、最後まで一気に読み切った。最後は夜中3時半まで読み切ってしまい、翌日寝不足で仕事をしたことを覚えている。古い本だが、是非読みたい1冊である。
2位は、村上春樹翻訳の「グレート・ギャツビー」である。少し前のブログで書いたばかりであるが、堂々の2位である。これも古い作品だが、是非とも読みたい作品である。読み終えた後の読後感がじわじわと押し寄せてくる。
3位は、司馬遼太郎の「城塞」。豊臣家の滅亡を描いた作品で、秀逸である。真田幸村ファンとしては1位にしたいところであるが、鉄仮面とグレート・ギャツビーにはかなわなかった。家康も秀吉もやったことは悪辣なのであるが、秀吉があまり悪印象を受けていないのに対して、家康が悪い印象を受けているのは、豊臣家に対する最後のやり方によるであろうが、大阪冬の陣、夏の陣はまた多くのドラマを生み出した。是非とも読むべき作品にあげたい。
4位は、これも少し前のブログで書いたが、海音寺潮五郎の「列藩騒動録」である。最近海音寺の作品が新装版で復刻されているのが嬉しい。武将列伝も復刻されないものか。家には武将列伝が1冊しかないので、是非復刻して欲しい。ビジネスマンには必携であろう。
5位は、だいぶ前のブログで書いたが、加賀美雅之「監獄島」。推理小説である。新書サイズで、確か上下巻だったと思う。トリックは「?」と頭をひねるところもあるが、私が好きなディクスン・カーないしは横溝正史の流れを組んだ作風から偏見も入って4位にランクインである。
6位は、ドストエフスキーの「罪と罰」。古典であるが、古典でありながら新しく、現代に置き換えられる作品であると思う。ドストエフスキーの作品が今もなお研究対象とされていることがよくわかる。その他の作品も少し買い置きしてあるが、覚悟を決めて読まないとと思って手がつけられていない。
7位は、福岡伸一「生物と無生物のあいだ」。これもブログで紹介した。今年のベストセラーにも入っている。理系にしてこの文才はすごい。
8位は司馬遼太郎の「軍師2人」。これもブログで紹介したが、この中では「侍大将の胸毛」が秀逸だと思う。短編集なので通勤時間内に一つくらい話が読めるのもよい。
9位は、津本陽「獅子の系譜」。これも少しブログで紹介したが、彦根藩の始祖であり、井伊直弼の先祖である井伊直政を描いた戦国作品である。井伊直政が家臣にすら嫌われる強烈な個性の持ち主であったという逸話はあまり世間には知られていない。これは井伊家に伝わる文書を津本氏が利用出来ている点が大きいであろう。
10位は興亡の世界史「アレクサンドロスの征服と神話」である。興亡の世界史シリーズはその後もこつこつと購入して読んでいるが、これが初回配本というのは出版社も「さすが」という感じである。アレクサンドロスは何故にあれだけ侵攻しようとしたのか、その原動力はなんであったのか、そして突然の死の後に待っていたもの等々。日本史だけではなく、世界史も理解しておくべきであろう。
ということである。
我が事務所もいよいよ明日が年内は最終日である。無事終われますようー。
| 固定リンク
コメント
こんにちは。海音寺潮五郎さんの熱心なファンです。
『武将列伝』は来年3月に復活予定だそうです。海音寺潮五郎記念館が配布した資料に書かれていました。
投稿: モモタ | 2007年12月28日 (金) 21時23分