読書日記3月9日。
最近読んだ本。
「信長」プレジテント社発刊のハードカバー。最近新装丁になったということで購入した。信長は津本陽の「下天は夢か」まではあまり書かれていなかった戦国武将だが、最近は信長を書いた作品が多い。この中で、隆慶一郎が信長について書いているのがうれしい。隆慶一郎は、武士を「恥アル者」と言っている。恥を知らない日本人が増えた昨今、武士が減ったということだろう。ローマ人の物語で有名な塩野七生が信長について評している一文も一読の価値有りである。単に表面だけ信長を真似る経営者が多いことに痛烈な批判がされているハードカバーである。
「家康の父親は武田信玄だった!」(ぶんか社文庫、武山憲明、杉山光男著)。
表題どおりの本。書店で見つけて表題の三流さに惹かれて購入。まず、以前からある徳川家康=影武者であり、本当の松平元康はとっくに三河統一の頃に死亡していて、徳川家康は影武者であり、それ故に岡崎信康を信長の命令に仮託して殺したのという説をベースに、徳川家康の父が坊主で、この坊主こそ信玄だという仮説に基づいて議論が展開する。本の謎に関する部分なのでどうして信玄が父親たり得るのかは書かないが、まあいろいろな仮説仮説の積み重ねでここまでよく書くというたぐいの本であるが、読み物としてはとても面白い。
家康が岡崎三郎を殺した経緯についてもっとも私が納得がいくのは、司馬遼太郎の「覇王の家」に書かれた説である。
なお、家康=影武者説では同じだが、家康が関ヶ原の戦い直前に暗殺されたという説をベースに書かれた、隆慶一郎の「影武者徳川家康」も読まずには死ねない傑作である。歴史小説好きなら読まないで死んだら後悔するだろう。それほど面白い。ただし平日の夜に読まないことである。
「健康問答2」(平凡社、五木寛之、帯津良一、著)。喘息が発覚して以来、時々健康に関する本を購入して読むのだが、これの前作の健康問答がよかったので、本屋で見つけてこれも購入してあったのを夜にちびちび読んでいたのが読み終えた。
西洋医学一辺倒では病が治らず、余計に増えている現状を踏まえて、西洋医学だけではないそのほかの医学はどうなのか、本当のところはどうなのかについて対談した作品。
私も西洋医学は身体に副作用が出るので、西洋医学だけではいけないと常々思っている人なので(私はたぶんガンになっても切らないで、山ごもりして治すことを試みたいと思っている。父方にも母方にもガン患者がいるので、ガンになる可能性がある。私の父親も同じような考えである。どうでもいいが、父親は死んだらモンゴルで鳥葬にして欲しいと言っているような男である。)、この本の説くところは非常に納得出来るところがある。
病気に悩んでいる人は、是非この健康問答2と前作は読むべきである。
今はメルヴィルの白鯨を読んでいる(大作)ので、しばらく他の本が読めそうにない。
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コメント
隆慶一郎の「影武者徳川家康」も読まずには死ねない傑作である・・・同感です! 長生きして欲しかったです。
投稿: ふなまま | 2008年3月10日 (月) 22時01分
確かに、隆慶一郎はもっと長生きしていい作品を書いて欲しかったですね。
「死ぬことと見つけたり」が途中で終わったのが残念です。
全作品持ってます。
投稿: 中 隆志 | 2008年3月11日 (火) 18時53分