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2008年4月24日 (木)

寄与分

 実際の遺産分割では寄与分(親の遺産が残ったのは自分の働きがあったからである)の主張をしてもまず他の相続人が認めることはない。父親や母親を相当面倒を見たのに、他の相続人は親が死ぬとその点については眼をつぶるし、裁判所も「子が通常の扶養をする範囲」と見る傾向がある。これでは親を見た子どもからすると面白くない。
 祭祀承継をしていくから(要するに仏壇・墓守をしていくこと)、多めに相続をさせてほしいといってもこれも中々他の相続人が認めることはないので同じ思いをすることになる。

 こうした事態を避けるには、弁護士に相談して親に遺言(出来れば公正証書遺言)をしておいてもらうことである。そうすれば、遺言によっても侵害できない遺留分という部分(子の場合本来の取り分の2分の1)は残るからその部分は遺留分減殺請求という形で請求される可能性はあるが、確実に多くもらうことが出来る。
 遺言さえあればなあと思う事件が多い。遺言があっても中途半端な遺言で、「弁護士に相談していてくれればなあ」という事件も多い。
 揉める労力と時間のことを考えれば、弁護士に相談・依頼をして遺言を作る方が絶対に経費的にも安上がりである。
 でも中々遺言をしようとはしないのである。

 子がいない夫婦の場合も遺言をした方がよい。たとえば夫が死亡したとき、夫のきょうだいから「相続分をよこせ」といわれると拒否できないからである。きょうだいには遺留分はないので、「妻に相続させる」と遺言しておいてくれれば妻は安心である。

 かかりつけの医師はいてもかかりつけの弁護士がいない人は多いと思うが、本当に「相談さえしておいてくれればなあ」という事件が多いので切にそう思うのである。

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