最近読んだ本
読書日記である。
メルヴィルの「白鯨」。中学校くらいに購入して途中で読むのを断念した記憶がある。
少し前に購入していたのであるが、中々手に取る暇がなかった。
私は文学評論家ではないので、メルヴィルがこの作品で何を描きたかったかを論評する立場にないが、世の中の無情さ、自然のもつ非常さ、人間の身勝手さなどを冷酷に描き出しているのではなかろうかと思う。これは30代後半にでもならなければ中々理解しづらい作品であろう。
「レイチェル・ヒルズの火影」。海外ミステリー。本屋で表題に惹かれて購入。何百年前の死んだ女性の亡霊が次々に殺人を犯すのかというところが横溝正史風であったので購入した。ミステリー作品としては中の下というところであるが、気軽に読む作品としてはよいだろう。
「豊臣家の人々」角川文庫新装版。司馬遼太郎。
司馬遼太郎の見るところの豊臣家の人々を描いた作品で、城塞や関ヶ原などで描き出されていない豊臣家の人々も描いている。司馬遼太郎はどこからこんな挿話を見つけてくるのかというくらいエピソードを入れ込むのがうまい。
また、人間のとらえ方がすごい。弁護士も人間相手の商売であるから、司馬のような人間通というか人間観察力、分析力を持つべきであろう。これもまた秀作である。
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コメント
はじめまして、ミッフィーです。大学の教員をやってます(>V<)白鯨は私も以前断念してそのままになってます。豊臣家の人々 が気になります。読んでみます。ほかにもおすすめの本があれば是非教えてください。
投稿: ミッフィー | 2008年4月12日 (土) 12時31分
コメントありがとうこざいます。
過去の記事の中で読書日記はたくさん書いていてそこにコメントをしていますのと、昨年読んだベスト10も書いていますので是非その記事も読んで下さい。検索すれば出てくると思います。
読まずに死ねない作品は多数あります。歴史作品だけでいいますと、
隆慶一郎の「影武者徳川家康」「一夢庵風流記」。そのほか隆慶一郎の作品はみな読まずには死ねないおもしろさです。駄作ばかり書き続ける北○○三と文章力を比べると唖然とします。
司馬遼太郎作品はまだ全部読めていませんが、「城塞」「関ヶ原」「覇王の家」「国盗り物語」「新太閤記」は歴史好きであれば読まずに死ねないと思います。
投稿: 中 隆志 | 2008年4月12日 (土) 21時04分