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2008年7月 8日 (火)

読書日記7月8日

 「謙信暗殺」中津文彦、光文社文庫。
 上洛間近に謙信が死亡したのは忍者による暗殺だという設定で書かれた作品。着想自体はよいのだが、文章力については司馬遼太郎などと比較して大変悲しくなる。また、着想を具体化する能力という意味でも大変残念である。信玄と謙信を暗殺した凄腕の信長の忍者という設定で時代歴史小説をかけばそれなりに面白いと思うのだが、忍者による暗殺というのは、人の器の大きさという面で戦国時代でもそれほどなかったような記述があったようにも思う。
 蒼天航路という三国志を書いた漫画(モーニング連載。曹操が主人公)の中で、曹操の威に打たれて赤壁の戦いの際に火薬に着火出来ない兵卒が描かれているが、それと同じようなことであろう。

 「調べる技術・書く技術」野村進、講談社現代新書。本屋で表題が気になって購入。筆者はノンフィクションライターで、ノンフィクションをいかに書くかというマニュアルとなっている。しかし、その姿勢やノウハウは私が弁護士をやっていく上で役立つことも多々書いてあった。私は全部読んだが、若手弁護士は必要なところを拾い読みしてもよいのではないか。プロの姿勢を感じられる好著である。

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