読書日記7月21日
司馬遼太郎の播磨灘物語を全巻読み終えた。
少し前にも書いたが、黒田官兵衛の物語である。
この人物については、一部の読者に好評で、一部の読者に不評の武将についてのブログでまた書きたいとも思うが、司馬の作品は一つ読むとまた一つ人間について考えさせられる。
経営者にアンケートを取るともっとも読まれている歴史作家は司馬ということが今発売されているプレジデントという雑誌に書かれているが、それも宜なるかなという感じである。
多忙な合間を縫って読書をする習慣は必要である。
本を読まないということは人生の90%を無為に過ごすといってもよいような気がするし、限られた時間で経験できることは有限であるのに対し、本は隙間時間に他人の経験や考え方を体現出来るからである。
松本清張「佐渡流人行」。新潮文庫から出ている短編集の一つであるが、歴史小説集でもある。松本清張の知識も本当に膨大なものがある。司馬同様、どこからこれだけの史料を探してくるのだろう。
松本清張の作品でも人間がもつ心の闇や、人間の怖さ、人間というものが訳の分からないところがあるというところが描かれている。
このあたりの人間叙述が薄っぺらい作家が最近流行作家としてもてはやされているが、読む側の能力が落ちているのではなかろうかとも思う。
女性というものが魔を秘めているところを描いた「佐渡流人行」や、丹羽長秀という一般にはややマイナーな武将を描いた作品が秀逸である。
やはり本はいい。
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