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2008年11月17日 (月)

読書日記11月17日

「ブラウン神父の童心」G・K・チェスタトン。松本清張の小説の中で引用されていた作品があった(見えない男)ので買ってみた。世界の名探偵のような本を昔持っていて、そこに描かれていた名探偵ブラウン神父。推理小説の王道とはかけ離れた作品であるが、面白い。死体を目立たなくするために無謀な突撃をした将軍の話だとか、人の心理的盲点を突いた見えない男が秀逸。

「一一番目の志士」(上)(下)。司馬遼太郎。架空の志士が主人公だが、司馬の筆があまりにも見事なので実在の人物のように思えてしまう。騙されていた人もいたようである。武蔵の二天一流を使う主人公の話。主人公は剣はめったやたら強く、どこにいっても女性に愛されるのである。為になるところはない作品だが、娯楽小説としては面白い。

「蒼い描点」松本清張。女流作家の贋作疑惑に始まる連続殺人事件。犯行は過去にそのその発端がー。670頁くらいある作品だが、面白くて2日で読み終わってしまった。昨今の駄作ばかり出しても作家と呼ばれている人たちに比べて筆の運びが全然違うのである。

「自意識過剰!」酒井順子。負け犬の遠吠えという独身女性を描いたエッセイで一躍有名になった作者のエッセイ。自意識がいかに私たちの行動を支配しているかがわかる。自分のことを話ししているようで、「これは実はあんたなんだよ~」といわれているような気になってくる。手軽に読める。

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