読書日記3月16日
「松下幸之助 一日一話 仕事の知恵・人生の知恵」PHP総合研究所編。
松下幸之助については特に説明は要らないと思う。津本陽の松下幸之助を描いた作品「不況もまたよし」(ひょっとすると少し題名が違うかも知れないが)を読んでから、松下幸之助の本を読みたいと思っていたので購入。一日一話形式で、365日いろいろな分野から1頁で完結し、しかも含蓄のある話が多数掲載されている。若い弁護士はこうした本を仕事の合間に読むべきであるし、中堅である私もこうした本を読むことで頭が整理されるし、さらに今後の仕事に活かそうと思えるのである。まあ人間であるので、活かすと言っても限界はあるが。
「海王」(上)(下)。宮本昌孝。上下二段かつ1000頁を越えるハードカバー。「剣豪将軍義輝」を描いた筆者が描く剣豪将軍義輝の続編である。足利義輝は今はあまり有名でないが、松永久秀という梟勇に攻められて殺された足利13代将軍である。その剣技は塚原朴伝から「一ツの太刀」という秘伝の太刀を伝授されたことから分かるようにただの将軍の慰み芸ではなかった。松永久秀に攻められた際、足利重代の太刀を畳に突き刺して攻め来る松永軍の兵士を斬りまくり、刀が刃こぼれして斬れなくなると次の刀を使い次々に斬りまくったという恐るべき剣の使い手であった義輝を描いた前作(これも相当面白い)の続編ということで期待して購入したのだが、やややりすぎの感があり、逆にしらけてしまったようなところがあった。
筆者は読者サービスのつもりであったろうか、前田慶次郎、伊藤一刀斎、御子神典膳、善鬼等々の戦国マニアが泣いて喜びそうな面々を次々に登場させ、主人公の義輝の遺児である足利海王とからませるのである。
しかし、あまりにも様々な登場人物を出し過ぎたが為に、やりすぎの感があり、全体を貫くストーリーが弱くなってしまっている点が残念である。
司馬遼太郎と比較してしまうと、どうしても物足りない。
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