読書日記6月12日
「坂の上の雲」3巻。司馬遼太郎。文春文庫。
「坂の上の雲」4巻。司馬遼太郎。文春文庫。
「坂の上の雲」5巻。司馬遼太郎。文春文庫。
日本海海戦において日本は辛くも勝利するが、旅順港にロシア艦が逃げ込み、旅順の要塞からの砲撃で近づくことが出来ない。日本海軍は陸軍に旅順要塞を攻めるよう依頼する。ロシアからはバルチック艦隊が出発しようとし、旅順に逃げ込んだロシア艦隊と合流されれば、日本海り制海権はロシアに移り、満州に展開する日本陸軍は日干しとなってしまう。日本海軍としては、何としても旅順港内の艦隊をバルチック艦隊が来るまでに撃破する必要があった。東郷の苦悩。そして秋山真之はバルチック艦隊を日本海で全滅させる作戦を練り上げる。
その中、正岡子規はその短い生涯を閉じる。
旅順を攻めるのは乃木将軍であったが、その参謀であった伊地知の無能さの故に要塞に向かい白兵突撃をするのみで、数万人という死者を出すのであった。
それを見かねた児玉源太郎は持ち場である満州から旅順に向かい、指揮を執りまたたく間に旅順の要塞を陥落させていく。いわゆる203高地を巡る激戦であった。
司馬は、これでもか、これでもかというくらいに乃木の無能さを書き上げる。確かに、無為無策に等しい攻撃で、しかも203高地さえ取れば旅順要塞は容易に陥落するにも関わらず、戦略眼が全くない伊地知の意固地さによって死に追いやられた日本人はどれだけいたであろう。古今まれに見る無能軍隊であった。これを読まなければ、乃木将軍というのは神聖化されているが故にその実像は誰も知ることはないであろう。
日露戦争はいよいよ佳境に突入する。
戦争を礼賛するのではなく、こうした戦争があり、日露戦争に勝利したからこそこんにちの日本に続いているのだということを忘れてはいけない。
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コメント
恥ずかしながら、私は司馬遼太郎を読んだことがありません。が、この秋、NHKでドラマになると知り、その役者さんたちを見たいため、読むことにしました。
楽しみです。ただ間に合うかどうか…
投稿: ふなまま | 2009年6月12日 (金) 21時55分
司馬遼太郎を読まずして、歴史小説は語れません。
司馬遼太郎と海音寺潮五郎は絶対に外せませんです。
ただ、坂の上の雲は文庫で8巻ありますからねえ。
私もようやく6巻です。
投稿: 中 隆志 | 2009年6月15日 (月) 10時06分