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2009年12月17日 (木)

ヤミ金融を避ける弁護士

 借入先にヤミ金融があると、「面倒くさい」と言って避ける弁護士が割合多い。
 

 私の事務所では、ヤミ金融から借り入れがある方の事件を受けると、事務員に受任通知を送るので連絡先を教えて欲しいという電話をかけてもらい、もめるヤツだけ私が出て話をするようにしているが、平成14年くらいの頃はすべてのヤミ金融が文句を言って来たので、電話応対の手間が大変であった。
 その後、ヤミ金融を取り締まる法律等々が整備され、警察も当初は、「借りたものだから、民事上の争いだし・・・」ととりあってもらえなかったが、今では対応してくれるようになっている。
 時代背景を受けて、今では私が電話に出ないといけないような例は減ってきている。
 ヤミ金融もおとなしくなってきたのである。

 まあ、昔はひどく、受任の電話をしたらピザ屋から50人分ピザが届いたとか、当該事務所が火事になっているという虚偽の電話をヤミ金融がして消防車が来たとか、地場(東京や福岡等、遠方で電話と電話での脅しで貸し付けて回収するのではなく、地元にいるヤミ金融)の場合だと、債務者(ヤミ金融からの借り入れは返済義務が法律上ないので、債務者と言ってよいかどうかは微妙だが便宜上こう呼ぶ)のマンションのすべてのポストに「○○号室の誰それは、金を借りて返さない極悪人です」というビラを入れたりだとか、ひどいものもあった。
 電話口で、「返さないってどういうこと?あんた、うちの金摘ませて、自分の費用にしたんじゃないの?弁護士は法律家でしょ?法律家がそんなことさせるの?モラルがないよ。」等々延々と自説を述べるヤミ金融(マニュアルがあって、そういえと言われているのである。声はたいてい若い。)とか、女性弁護士だとセクハラ発言をするとか、まあしつこかったもんである。
 そのときの情報だけがあるのか、若手弁護士がヤミ金融があると逃げ出す時がある。
 ややこしい仕事をしないで逃げるというのでは、法律家を目指した時の気持ちは何であったのであろう。
 こまっている人を助けたり、何らかのやりがいをそこに見いだしていたはずである。
 もちろん受けてはいけない事件もあるであろうが、事件から逃げるのはよくないのである。

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