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2010年3月 9日 (火)

読書日記3月9日

「813」「続813」新潮文庫。モーリス・ルブラン。
 アルセーヌ・ルパンの物語。昔、読んだ気がするのだが、本屋で字が大きくなって置いてあったので、読み返してみようと思い購入。813にまつわる謎とルパンを追い詰める殺人犯人との息をつかせぬ戦いが描かれるが、古典であることは否めない。元々の原典がそうなのかはわからないが、ルパンが物凄く柄が悪い話し方である。ルパンは殺人と強姦・放火以外は窃盗・詐欺・強盗などをする怪盗紳士ということであるが、強盗をしている時点で紳士ではないのではなかろうかと思われるし、昔読んだルパンはもっとスマートであった記憶があるのだが、原典にこれが忠実なのかも知れない。

「楽園(上)(下)」文春文庫。宮部みゆき。
 名作模倣犯で重要な役割を果たした前畑滋子が登場し、死んだ子どもにサイコメトラー能力があったのではなかという主婦の依頼を受けて、過去の事件の真相に挑むという作品だが、読みやすく、面白くて一気に読んでしまった。
 人間の闇を描いているという点で松本清張に通じるところがある一方、清張と違うのは宮部みゆきの作品には何か救いというか明るさがあることであろうか。
 司馬遼太郎の作品が悲劇を描いていても、なぜかどれも何か明るいように、その作家の持つ何かが作品にはにじみ出るのであろうかと思う。

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