読書日記8月24日
「平家伝説殺人事件」角川文庫。内田康夫。
タイトルと異なり、全然平家伝説は関係ない。しかも推理小説の基本中のキを破っている。推理小説ではない。
推理小説ではなく、主人公の浅見光彦が好きなら読めばいいという感じである。
「共犯者」新潮文庫。松本清張。
松本清張の短編集。久しぶりに清張を読んだが、その構成力と余韻はやはり独特のものがあり、人生の一場面が切り取られていて、しかも人生に役立つことばかりである。
読んでいるうちに、自分が悪い主人公の立場になってしまっていることにも驚く。
突発的に人殺しをしようとした「発作」は、何十年も前に、今の理由なき殺人を予言しているようで恐ろしい。その他の短編も秀逸である。
「白い十字架」中公文庫。森村誠一。
推理小説にヒマラヤ登山を重ねた山岳小説と推理小説の融合のような話であるが、人生で読まなければならない本かどうかと聞かれたら、読まなくてもいい本といわざるを得ない。
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