読書日記12月20日
「吉里吉里人」(下)新潮文庫。井上ひさし。
先日から読んでいた吉里吉里人の完結編であるが、正直、ここまでおもしろく書いてきてこの結末はないだろうというのが私の感想。日本という国家へのアンチテーゼを多数含んでおり、大絶賛されている向きもあるが、小説としてこれはどうなのかという気がする。逆に、それが井上ひさしのねらいだったのか。
「三国志」第一巻。文藝春秋。宮城谷昌光。
何種類も読んできた三国志であるが、宮城谷昌光が書いているというので購入していた。ハードカバーで、いつ読もうかと思っていたのだが、自宅でちびちびと読み始めて、ようやく最初の巻が終わった。
普通の三国志と違い、劉備・曹操らが出てくる相当前の時代から書いている。
曹操の祖父の時代から書いているためであろう。曹操の祖父は宦官であったので、子をなすことが出来ないため、養子であるので血はつながっていないのだが。
なぜ後漢という国が乱れたのか、そして、それが後の物語にどうつながるのかを書こうとしているためであり、そこは新しい試みであるが、あまり一人一人のキャラが立っていないのが気にかかるところである。三国志おなじみの英雄が出てきたら変わるのだろうか。
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