リース契約による被害は、京都で私が呼びかけて電話リース被害弁護団を立ち上げたのが平成18年の春であったが、それ以降一時成りをひそめた感があったが、最近また被害がぶり返してきている。
電話のリース被害は件数が減ったが、リースをする物件を変えればいくらでも出来るので、電話以外の物件で同様の手口でリースを組まされて、被害を訴える事例が後を絶たない。
電話のあとは、複合機とホームページ作成ソフトにリース被害が移行し、その後は、自販機であったり、多種多様な物件をリースして被害が産まれている。
リース契約については、これを全般的に規制する法律がないため、野放し状態である。
契約書に記載があれば基本的にこれに縛られるところ、リース契約は中途解約禁止条項が入っているので、中途解約が出来ない。
リースは一応3者間で成り立つ契約である。
販売店が顧客に勧誘をし、リース契約を締結させると、リース会社からは販売店に物件の販売代金が支払われる。販売店としては、直接顧客と売買契約をして分割払いをしなくともよいので、全額の代金が入ることになる。
顧客の方は、リースによって税法上のメリットがあるとされてきたが、これについてもどれだけ効果があるかはこんにちの税制の下では疑問とされている。
しかも、赤字経営をしている法人などもあり、税法上のメリットが無意味な顧客もいる。
リース会社の方は、リース契約を締結することで、手数料収入が得られ、かつ、リースをしてよいかどうかの(極めて杜撰な)審査をするだけで、自分のところでリース契約を締結するための従業員を雇わずに、利益が得られるところにある。しかも、中途解約が制限されているため、顧客から回収をすればよいことになる。
リース会社と販売店のためにあるような契約類型である。
一般の方は、中小事業者も含めて、リース契約の中身を理解していないので、被害に遭うことになる。
何故被害かというと、詐欺的な文言を用いて契約をしていることがもっぱらだからである。
だいたい、複合機など一台入れたら耐用年数程度の期間は交換しないものである。
それを、1年間とか、2年間とか、ひどい事例だと数ヶ月で交換することじたい、外部的な要因が働いて、交換させられていると認めるべきであるし、それが常識である。
しかし、日本の裁判官には、この常識が通じないことが多い(怒り)。
もちろん、リース契約を締結しても、一般の民法の規定や、特定商取引法などで救済される道はあるし、勝訴事例や、勝訴的和解をしている事例も多い。詐欺であったり、クーリングオフであったりである。
ところが、多くの裁判所は、リース会社は、第三者だから、販売店が詐欺を働いていても、販売店の詐欺でもって、リース会社との契約であるリース契約を取り消したり、無効ではないのだという判断をしがちである。
顧客からすれば、リース会社などとは面識もなく、電話で意思確認をされる程度である。
販売店が契約の手続のほとんどをしているのである。
にもかかわらず、なぜ「第三者」だから無関係といえるのであろうか。
私にはこの点の裁判所の常識力にも怒りを覚えている。
規制法がなくとも、現行法制の中だけでも勝訴して然るべきであるが、裁判所が常識を理解しないので、勝訴をするには相当な労力が必要とされてしまう。従って、リース被害に取り組んでいる弁護士が事件をするのと、そうでない弁護士との間にも解決に差異が出てしまう。
こんなことでは被害は救済されないのである。
日本の活力は中小企業が担っているのであるから、国は中小企業保護策を打ち出すべきであろう。
規制法が必要とされるゆえんである。
怒っているので、続く。