読書日記3月16日
「僧正殺人事件」創元推理文庫。ヴァン・ダイン。
昔図書館で借りて読んだことがあったのだが、古典の推理小説は好きなので再読した。
この話はわかりにくいところがあり、私は中学生くらいで読んだ時ちんぷんかんぷんだった記憶があった。グリーン家殺人事件の方が筋がわかりやすかった記憶がある。
なぜそうであったのかは今回読んでわかったが、途中で極めて難解な学問的知識が出てくるのである。
万人にはあまり勧められないが、推理小説好きであれば一読する価値はあり。
「空白の5マイル チベット、世界最大のツァンポー峡谷に挑む」集英社。角幡唯介。
チベットにある世界最大の峡谷であるツァンポー峡谷は、探検家にとって最大の謎であり、冒険心をそそられる峡谷であった。
グーグルアースで内部が見られる時代に、なぜ作者は新聞社を辞めてまで、命をかけてまで、それをしたところで何が得られるかもわからないのに、峡谷に挑むのか。
これは無茶苦茶おもしろかった作品。
冒険などに興味がある人は是非どうぞ。
「逆説の日本史 17」小学館。井沢元彦。
井沢元彦は、以前作品を読んだが、小説を書くよりも、こうしたノンフイクション的なものを書いている方が合っている作家であると私は考えている。
今までのものは全巻持っており、研究家たちが当然と考えていることを一つ一つ論破して新説を書いたり、あまり注目されていない在野の史家の説を採用して披露したりと、大変おもしろいシリーズである。
今回は、アイヌ史と、幕末の外交について書かれている。
ただ、井沢元彦は、同じことを何度も何度も書く癖があり(紙面を増やすためではないかと最近思い出しているが)、また、超超超上から目線で書いているので、正直読んでいると、「もうわかったし、論点に入ってよ」と思うことがしばしばであったが、今回の17巻でもその悪癖が全面に出ている気がした。
そこらあたりを改めると、かなりいい作品集になるのになあと思う。
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