読書日記4月20日
「3冊のロング・グットバイを読む」ソリックブックス。松原元信。
村上春樹訳のロング・グットバイを読んだ作者が、清水訳との違いに興奮し、原著を読んで場面場面の訳の違いや場面にまつわる様々なことについて書いていくエッセイ。
清水訳は原著をすっとばすことが多いのに比べて、村上訳は忠実である。
どちらがこの場面の訳ではいいか、ということなどが語られていく。
チャンドラーフリークでなければ、読む必用はないが、チャンドラーフリークであれば、読んで、にやりとすることだろう。私は当然、「ニヤリ」としたが。
「司馬遼太郎が考えたこと 12」新潮社。司馬遼太郎。
司馬遼太郎のエッセイ。司馬遼太郎の癖の話が出ていて、司馬は長電話になると、欧米の老人の顔を描いてしまうという癖を持っていた。たぶん、どうでもいい長電話につきあわされていたのかと思うのだが、そうは司馬は書いていない。
他にも司馬の物事に対する考え方、とらえ方が書かれていて、そのまま受け入れるかどうかはともかく、大変参考になるエッセイ集である。
「日本のガン医療を問う」新潮社。NHK取材班編。
NHKが取材し、番組化したものを、テレビでは入れられなかったエピソードを入れて書籍化したものの文庫版。少し前に購入しておいたのだが、何となく手にとって読んだ。
この取材当時、いかに日本のがん医療が遅れていたかをアメリカとの比較によって浮き彫りにしている。
また、この番組後、日本のがん医療対策がどのように動いたかも書かれている。
この取材当時ではあるが、日本のがん医療が病院によっていかに差があり、かつ、アメリカに比べていかに適当な治療がされているかを読んでぞっとする。
この取材当時の日本の医師のレベルは相当低かったようであるが、それは今は改善されたのであろうか。
そう短期間で改善されるものではあるまい。
これを読んで、がんの治療については、自らも理論武装する必用があると感じた。
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