読書日記7月12日
「ロング・グッドバイ」ハードカバー版。ハヤカワ書房。レイモンド・チャンドラー。村上春樹訳。
長いお別れで一度読み、その後文庫版で「ロング・グッドバイ」を読んだが、どうしてもハードカバーのものも手元に置いておきたくなり(マニアなもので)、購入したが、ただ飾るだけではなく、どうしても読みたくなり、一気読みしてしまった。
色あせることのない名作であり、物語を貫くマーロウという男の持つ矜恃があり、美しい女性たちがある。
また、50歳になった時に読めば、違う趣が出てくるような気もしている。
この物語の中のマーロウは私より少し年上であり、ほぼ同年代といっていいが、この落ち着き、大人っぽさにはただ憧れるだけである。
「歴史の夜咄」小学館文庫。司馬遼太郎ほか。
司馬遼太郎の対談本。日本の歴史の様々な点について、対談の中で司馬の知識や考え方が示されていく。
ことに、日本という国家の成立に渡来人が多くの影響を与えているというところは、あまり教科書的歴史では語られることのないところなので、目からウロコというところである。
「縛り首の塔の館」加賀美雅之。
怪奇的であり、昭和一桁の探偵小説風の物語という意味では惹かれるものがあるが、トリックがトホホなものばかりであり、設定や死体の発見のされ方はセンセーショナルだが、物語的には一つとして成功しているものはない。
物理的なトリックに頼りすぎるところがあり、この作家の作品があまり世に出ていないのが宜なるかなという気になる一冊である。
だったら読まなければいいのであるが、設定が私好みなので、成功さえしてくれれば・・・という気になり読んでしまう。今のところ、成功している作品はない。。。
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