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2011年8月30日 (火)

読書日記8月30日

「ハチはなぜ大量死したのか」ローワン・ジェイコブゼン。文春文庫。
 地球上からミツバチが消えているー。そんな見出しがあるこの本は、本当におもしろい。
 ミツバチは蜂蜜を作るだけではなく、アメリカでは受粉のためにアーモンド畑で飛ばされるということをどれだけの人が知っているだろう。
 大量に作物を作る必用に迫られ、大量に受粉を介在してくれる昆虫などが必用であるという、人間社会の効率化を求める姿勢。
 この姿勢の中で、安易に農薬が使われ、ハチにストレスを与えるような受粉の仕方をするなどした結果、ハチが巣を飛び立って戻って来ないという症例が見受けられるようになった。中国から輸入される法律で禁止された抗菌剤がたっぷり入った蜂蜜などが入ってきた結果、蜂蜜の価格は下落し、蜂蜜を売却しているだけは経営が成り立たなくなった結果でもある(私はこの本を読んで、中国産の蜂蜜だけは買うまい、と心に誓った。ただし、産地偽装されているので要注意らしい)。
 そのため、これまでハチに受粉を頼っていた果実などでは、低廉な価格で労働者が受粉を手作業でしているハメになっている。
 これを防止する方法はないのか。正しいあり方とはどうなのか。
 中々おもしろいので、自然科学に興味のある人は是非ご一読を。

「群雲、関ヶ原へ」(上) 光文社文庫。岳宏一郎。
 関ヶ原を描いた作品としては司馬遼太郎のものを読めば一般的には十分なのだが、歴史フリークの私は書評で武将のエピソードが数多く収録されているという点に惹かれて購入。所々、泣けるエピソードが入っている。
 今下巻を読んでいるが、各巻700頁ほどある文庫なので、中々読み終わりません。。。
 やはりエピソードとしては、氏家行広のエピソードが一番泣ける。前に私のブログで書いていますが。

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コメント

先生こんにちは。ミツバチが消えた理由としてはモンサントという世界最大の種苗会社による遺伝子組み換え穀物の普及が原因との説もあります。元公安調査官菅沼光弘氏による説明(TPPによる農業問題に関連して)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm16217023
ちなみにTPPについては京大准教授で「TPP亡国論」著者の中野剛志氏の解説が必見です。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm15973549
http://www.youtube.com/watch?v=3kQEWuQttfg
中野氏がTPPも民法改正もアメリカの外圧だと述べているので、私も調べてみたところ民法学者加藤雅信氏が著書「民法(債権法)改正 民法典はどこへ行くのか」で改正手続が違法だらけであり内容もアメリカ法の踏襲であると告発しています。改正の動向が気になるところです。

投稿: パンダ | 2011年12月29日 (木) 13時28分

 いろいろな説があるのですね。
 法曹人口の増大も、アメリカからの外圧が原因であったところもあります。
 政治の世界は混迷を極めていますが、それぞれが出来ることをしていくしかないですね。
 私も個人的には民法改正は必要ないと思っています。
 懲罰的賠償制度は必要だと思っていますが、特別法で出来ますしね。

投稿: 弁護士中隆志 | 2012年1月 5日 (木) 16時26分

法曹人口の増大は関岡英之の「拒否できない日本」に年次改革要望書の一内容として載っていましたね。同じく関岡英之の「国家の存亡」では郵政改革と会社法改正、派遣自由化が外圧であることが書かれていて気持ちが暗くなりました。会社法改正により日本の上場株式の4分の1が外資に買われたそうですね。日本の主権はどこにあるのか?と思ってしまいます。郵政改革でアメリカは簡保を買収しようとしましたがリーマンショックで頓挫し、TPPで再び買収攻勢に出るようですが、TPP批准が国会で否決されることを願っています。民法改正も改正目的が法制審で絶対に明らかにされなかったりあらかじめ実務家が委員から排除してあったりいろいろ怪しいですね。

投稿: パンダ | 2012年1月 7日 (土) 22時18分

 改正とか会議で議論する時に、委員が偏っていることがあるのは日本のお家芸のようなものです。
 規制改革推進会議は、全員が規制を緩和して利益を受ける団体に属しているメンバーばかりでしたしね。
 民法という私法の根幹の法律の改正課程が不透明過ぎるというのもかなり問題ではあります。

投稿: 弁護士中隆志 | 2012年1月13日 (金) 16時56分

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