読書日記9月21日
「群雲、関ヶ原へ」(下)光文社時代小説文庫。岳宏一郎。
関ヶ原の戦いを描いた作品の下巻。ここでも様々なエピソードが書かれている。しかし、黒田家の強者どもが、島左近の突撃に何度も崩されて、当日の島左近の来ていた鎧の色を誰一人正確に覚えておらず、島左近に仕えたことのあるものに確認をすると、誰一人として合っておらず、黒田家の猛将たちが自分たちの臆病さに恥じ入ったという、あの有名な話が書かれていないのは残念である。それほどに島左近の突撃はすさまじかったという。
また、宇喜田家には、家康の謀将である本多正信の次男の本多政重が仕えており、何度も家康の本陣に迫ったという逸話も書かれておらず残念であった。
「司馬遼太郎が考えたこと 15」新潮文庫。司馬遼太郎。
司馬遼太郎のエッセイ集の最後の巻である。私が弁護士になった年に司馬先生は亡くなられている。
エッセイの中身も、自分の死をどこかで意識しているようなものに見えてならない。
「ジェノサイド」角川文庫。高野和明。
ベストセラーというので買って見た。確かにおもしろいところもあるが、最後にどんでんがえしがないところがダメである。
途中で筋がほとんど読めてしまうので、ドキドキ感がなくなってしまう。
しかし、最後にどんでん返しにつぐどんでん返しがこういう小説では用意されていて、「ヤラレタ!!」と思って読者はにんまりするものなのである。
しかし、この小説にはそういうところがない。
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