読書日記ゴールデンウィークあけ
「未解決事件(コールド・ケース)」柏書房。マイケル・カプーゾ著。
全米で未解決となった殺人事件に対して、警察や被害者にアドバイスをしてボランティアで事件を実質的に解決するヴィドック・ソサエティについて書かれた本で、比類なしにおもしろい。
快楽のために殺人を犯すシリアルキラーと呼ばれる殺人者達の所行にはやり場のない怒りが沸くが、最高のプロファイラー、最高の尋問技術者、最高の死体復元能力を持つAIZENアーティスト達がそうしたシリアルキラーを追い込み、逮捕、終身刑などに追い込む課程を読むのは大変なカタルシスを感じる。
プロファイラー能力があれば、我々弁護士の仕事もラクになるだろうが、プロファイリングというのは、人生のほとんど全てを失ってこそ初めて出来るのだという言葉が重い。
是非一読を勧めたい一冊。
「プードル・スプリングス物語」早川文庫。レイモンド・チャンドラー&ロバート・B・パーカー。
チャンドラーの遺作。4章まで書いたところでチャンドラーは亡くなったが、その後をチャンドラー・ハメット論を書いた推理小説家ロバート・B・パーカーが完成させた作品。
読んでみると、「チャンドラーだったらこうは書かないだろう」という箇所も随所にあるが、まあそれは仕方あるまい。
ロング・グッドバイでマーロウと一夜を共にし、プレイバックの最後でマーロウに会いたいという電話が入るリンダ・ローリングとマーロウが結婚しているというところから始まる物語。
後の内容はマーロウ物のいつもの展開であるが、チャンドラー好きであれば、これも読んでおくべき作品だろう。
大学自体読んだが、今回再読した。
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