読書日記8月6日
「イエティ」山と渓谷社。根津誠。
ヒマラヤ山中を長年駆け回った筆者によるイエティ伝説の真実を探す本。筆者によれば、イエティはヒグマだという。しかし、それだけで片付けられない目撃証言もあり、この本だけですべてが解決という訳にはいかないであろう。
「キリストと聖骸布」文庫ぎんが堂。ガエタノ・コンプリ。
作者はキリスト教の神父である。キリストは、ゴルゴダの丘で処刑された後、亜麻布にくるまれて洞窟にいったん仮埋葬されたという。聖骸布は、キリストとおぼしき人の影が写っている布で、真偽が長年議論されてきた。今も現存している。表紙にその写真があるが、荘厳な雰囲気がある。この本は、聖骸布が、キリストをくるんだ亜麻布かどうかという点を、客観的に検証していく。筆者は、聖骸布は、信仰とは無関係であり、キリスト教を信じることと信じないことは無関係に、その存在は認められるべきとする。
うろ覚えの知識で、聖骸布の存在は知っていたが、この本でその何たるかが分かった気がする。これ以上この点の知識を深めるつもりはないし、キリスト教は信じてはいないが、歴史ミステリー的に読んだ。好著だと思う。
「キリストの棺」イーストプレス。シンハ・ヤコボビッチ他。
イスラエルのとある住宅地の工事現場から、古い墓が発掘されたが、その中には、キリストの一族の名前が刻印された棺があり、その中の棺はキリストを指していた。。。
この棺が本当にキリストのものか、あるいはありふれた墓に過ぎないのか。こうした観点から、様々な検証がなされる。
聖骸布を読んだので、ついでにこれもおもしろそうだったので、続きで読んだ。
キリストは、死後3日して復活したとされるが、これは「生き返った」という意味ではなく、霊的な復活をいうものだとすれば、キリストの墓があることは矛盾しないということになるともいう。
テレビ放映のために突貫工事で書かれたため、不十分なことは否めないが、これもまた歴史ミステリとして抜群におもしろい。
好著である。
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