日弁連からのファックスにイラッとした
日弁連から理事会で決定がなされた内容がファックス速報でくめのだが、11月22日付で来ていたファックスを24日の土曜日出勤して読んだところ、いきなりイラッとさせられる内容であった。
私は犯罪被害者支援を業務の根幹の一部に入れているが(広く被害者を救済したいということをポリシーにしてやってきている。もちろん、いろんな事件もするけれど)、犯罪被害者の被害者参加において、被害者参加した場合には、心情の意見陳述が出来ないものとするべきだということが内容の一点であった。その理由としては、被害者参加制度については、「被告人の防御に困難をきたすおそれがある」から過去に反対意見を出しているからだというのである。もう一点は専門的な話だから割愛するが、私はこの日弁連の意見に真っ向から反対である。
しかし、日弁連はこの意見をとりまとめたというのである。被告人の防御は弁護人がいるから出来るではないか。どうして被害者が刑事事件に参加し、時には弁護士がつくことが防御を困難にするというのか。意味が不明である。
22日はいわゆる亀岡事件の被害者参加代理人弁護士として裁判に出て、被告人質問を被害者の代表として行い、それから会議があったので、事務所には戻れていなかったのだが、実際に被害者参加をすると、それが被害者にとってどれだけ重要なことかが分かる。
日弁連の理事会では反対意見はなかったのか。
被害者として参加することと、心情を述べることはまた別物である。
参加をしても、全て被害者の心情が出る訳ではない。
尋問をしたり、被害者論告をするだけでは言い尽くせないところがある。
参加したら被害者としての心情の意見陳述が出来ないということは、心情の意見陳述をしたければ参加するなと言っているに等しい。
制度の中身が分かっていないか、やったことのない人達で決めたのではないか。
一方的意見である。
ああ腹立つ。
被害者側は巻き返しをして、さらなる被害者の権利の拡充に努めないといけない。
こんな日弁の意見をまともに政府・立法府が受け止めないように、被害者にかかわる関係者は努力しないといけないと思う。
むしろ、そういう意見を日弁が出すべきなのに、この意見はなんなんであろう。
イラッを通り越してむかつく内容である。
要点だけなので、入手出来るようになったら読んでみようと思っている。
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コメント
中先生、お久しぶりです。
覚えていらっしゃいますか。
亀岡事件の被害者参加代理人をなさっているんですね(^^)。
被害者参加において心情の意見陳述ができないなんて・・・
一体何のための被害者参加制度なのかと思います。
投稿: さっきー | 2012年11月29日 (木) 17時39分
先生、同感です!
投稿: ふなまま | 2012年12月 5日 (水) 23時50分
さっきー、日弁がそういう意見を出したということで、今は出来ます。12日は亀岡事件の被害者の方の意見陳述です。一度日弁のえらいさん達も被害者の意見陳述を聞いてみればいいのだ。
ふなままさん、被害者の支援は、弁護士の中ではまだまだ少数派ですわ。。。
投稿: 弁護士中隆志 | 2012年12月10日 (月) 16時00分