読書日記12月14日
「三國志 11」文藝春秋。宮城谷昌光。
諸葛亮は死に、司馬懿も死んだ後の三國志。曹家の力は弱まり、司馬家の力が強くなって行く魏。一方、孫権は英邁だった若い頃の面影は既に無く、横暴な皇帝になりはてている。
三国の終演も近い。
「神の代理人」新潮文庫。塩野七生。
作者の初期の頃の作品。作者自ら前書きに書いているように、若さが随所に出ており、大変読みづらいところもある。しかし、敢えてそれを直さず、そのままで文庫として刊行したとのこと。確かコナンドイルも間違いがあったが、フェアではないということで改稿はしなかったと聞いている。その当時の作者の文章ということで、私は改稿に改稿を重ねる作者より、ありのままの当時の文章を掲載する作者の方がなんとなく好みである。
ローマ法王が、単なる宗教の頂点にいる人ではなく、権謀術数を駆使してイタリアでの世俗の勢力を伸ばそうとしていた中世の時代を描いている。
大変生臭く、宗教といえど世俗の生々しさから離れられないということが描かれている。
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