読書日記2月28日
「ブラック企業」文春新書。今野春貴。
著者は労働相談を手がけるNPOの代表。
著者が受けた労働相談の中から、企業がブラック化しており、若者を食いにし、就職した後も社内で社員として生き残るために過剰な競争をさせ、不要とみた若者は徹底的に人格破壊をして退職・休職においやるという実態が描かれている。
実名で書かれていないが、あの超有名会社かなと思う企業のことも書かれている。
実名で書かれている企業もある。
3年経てば若者が会社を辞めることを若者の怠惰のせいにする傾向があるが、著者はそうでないという。
ブラック企業とのつきあい方、戦い方が書かれているが、個人で戦うのは中々難しいだろうし、ここに書かれている是正策は中々実現はしないであろう。
弁護士も就職難であり、ブラック事務所もあるかもしれない。ああこわ。
「伊賀忍び控え帖」PHP。津本陽。
津本陽は時々忍者の小説も書くが、これは前からハードカバーで本屋においてあったのだが、文庫化しないかなと思って待っていたが中々ならないのでとうとう買ってしまった(文庫の方が安いという側面もあるが、本が自宅にあふれかえっているため、スペースの問題もあり、出来れば文庫で買いたいのである)。
伊賀の忍者遠山太兵衛が主人公で、信じられない超人的能力を発揮する。こんなことが出来たらと思うようなことがたくさん書かれているが、戦国期には、重い鎧をつけて戦い続けていた武将がいることを思えば、今の日本人が失った能力をあの頃の日本人は持っていたのかもしれない。
一般の人は別に読む必要はないであろうが、戦国好きの私にとっては、時間を忘れて没頭できた本である。
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