読書日記9月4日
「アーサー王の墓所の夢」創元推理文庫。アリアナ・フランクリン。
イギリスで歴史ミステリの何かの賞を受賞したという帯を見て、アーサー王伝説と絡めた作品であろうかと思い興味を持ち購入。
内容的には結論が途中でわかってしまい、たいしたトリックもなく、今ひとつの出来という感想。
「真田三代(上)」NHK出版。火坂雅志。
歴史小説家である作者が描く真田一族の物語。真田幸村が大阪の陣で最後の突撃をし、家康を追いまくり、その結果討ち死にをする場面を読みたいがため真田一族の本をつい買ってしまう。いろいろな作品で比較して愉しむのである。
まだ下巻は読んでいないが、歴史小説としての出来はよくないし、文章も稚拙というところがある。新聞連載作品とあったので、長い話を短くするためにやむなく描いていないのかもしれないが、合戦の描写があっさりしすぎている。
下巻を続けて読むかどうか、非常に悩ましいところである。
「熊を放つ」(上)(下)中公文庫。ジョン・アーヴィング。村上春樹訳。
村上春樹訳の海外小説。ガープの世界という作品で人気作家になった著者のデビュー作。ガープの世界も買ってあるのだが、順序としてデビュー作から読んだ。
この中で出てくるジギーはなんとなくケルアックのオン・ザ・ロードという作品に出てくる人物に似ている気がする。
ケルアックとこちらとどちらが先の話なのか知識がないので知らないのだが、こういう人物設定は海外ではひとつの人物モデルとしてあるのかと思った。
作品としては完成度は低いと村上春樹もいっていて、そのとおりだと思うが、ものすごく作品にパワーを感じる。
これは一読の価値のある文学書。
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