読書日記9月20日
「キャパの十字架」文藝春秋。沢木耕太郎。
戦争写真家であるキャパが撮影したとされる、最も有名な戦争写真である「崩れ落ちる兵士」という写真。
これは本当に兵士が撃たれたところを撮影した写真なのか。また、この写真を撮影したのは本当にキャパなのか。
沢木耕太郎が、キャパの真実に迫る1冊。しかし、帯で結論がばらされている。この売り方はどうなのかなと思う。
作品自体は大変おもしろい。
「アジア未知動物紀行」講談社文庫。高野秀行。
本屋でたまたま新刊のところに並んでいたので、おもしろそうだと思い、読み始めたのだが、完全にやられた。
私がやりたい、やつてみたいことを完全に実地でやっている作家なのである。
未確認生物を求めて、アジア各地を回るという企画である。もちろん、おいそれと未確認生物など出てこないのであるが、未確認生物を探すというそれだけでもちろん世間からは眉唾ものとされるのであるが、しごく科学的に、地道な調査を行うのである。
ああ、私もやってみたい。。。
というわけで、自分でなかなか未確認生物を探しにいけない私にとって、この作者の作品は中毒になってしまうことが確定したのであった。
「螢、納屋を焼く、その他の短編」新潮文庫。村上春樹。
久しぶりでもないが、村上春樹である。かなり初期の短編集のようである。表題作の螢は、完全にノルウェイの森そのままである。この短編から、ノルウェイの森まで膨らませたというところもあるだろうが、普通はもう少し設定を変えるであろう。ちょっと、この点はどうなのかと思う。
表題作の納屋を焼くは秀逸であるが、その他の作品は私には響いてこなかった。
「怪獣記」講談社文庫。高野秀行。
台風のため、電車が止まり、予定していた日に連休は仕事に出られなかったので、高野秀行作品を読みふけった。
これは、トルコのワン湖というところにいるというジャナワールという大きさ15メートル以上はある怪物、すなわち、未確認生物を探しに出かけるノンフィクションである。
これまた破天荒におもしろく、これを読みながら、「未確認生物を探しに行きたい」と渇望している自分がいた。
しかし、私の本職は弁護士であり、私を待っている依頼者がそれなりにいるし、弁護士は天職であると自分では思っているので、こうして本を読む程度にすることでとどめる。
ああ、でも、いつかタキタロウくらいは釣りに行きたい。
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