« 2013年9月 | トップページ | 2013年11月 »

2013年10月31日 (木)

読書日記10月31日

「アンターグラウンド」講談社文庫。村上春樹。
 忘れてはいけない事件も、時とともに風化することがあるのが世間である。これは、地下鉄サリン事件の被害者に著者が話を聞いて、それを本にまとめたものである。
 サリン事件で殉職された営団地下鉄の社員の方の奥さんと、シンポジウムの席でご一緒したことがある。私もそのときはパネラーだったのである。あれはもう8年前になる。
 そのときに生の被害者遺族の声を聞いて、私もパネリストとして、弁護士としての立場からいろいろと発言したことを覚えている。
 時折、やはりオウム事件というのは忘れてはいけないと思い、本を手に取るようにしている。
 今回は、村上春樹のこの作品だったということになる。
 これは、被害者のことを知るために、また、サリン事件を忘れないために、長く読み継がれるべき本の一つである。
 770ページで、文庫本なのに1000円以上するが、それ以上の価値がこの本にはある。
 未読の方は、是非ご一読いただきたい。

「検察側の罪人」文藝春秋。雫井脩介。
 著者の最高傑作という帯があったので、購入してみた。
 設定に無理があるし、描写にも難があるし、ちょっとがっかり。
 法律家の世界にいなければ、おもしろく読めたかもしれないが、読んでいてしら~っとなった。
 しかし、購入した以上、全て読んだ。
 まあ、読まなくてよいですね。
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年10月30日 (水)

交通事故の加害者側代理人

 交通事故の被害者側の代理人をすることが多いので、被害者から交通事故の加害者側代理人に対する憎悪・悪感情等々を聞くことが多い。
 中には、「先生、あの弁護士殴っていいですか」という物騒なことをいう人もいる。そういう人には、当然「ダメです」ということになるが。

 加害者の事件をされる先生の中には、本当に頭が下がる丁寧な仕事をする人もいれば、何千件と事件をこなしているうちに、ルーティンワークで麻痺しているのかなと思う人がいないではない。

 交渉してダメなら調停を出して、それでもダメなら債務不存在確認請求訴訟を保険会社側から起こすという流れ作業のようにされることもある。事件を進めるために、やっているのだとは思う。あと、判決が出るまで損害金も発生するから、それを抑えるという意味合いもあるのだろうか。保険会社の代理人はスポットで数件したことがあるだけだから、そのあたりの実情はわからないが。
 被害者からしたら、まだまだ体が痛いし、治療したいし、裁判はまだ後でいいと思っていることもある。

 債務不存在確認請求訴訟も、内容を見ると、本当に、「ゼロ」ではなく、保険会社側からしても、あと一定額支払わないといけないような事案であることを認識しつつ、事件を前に進めるために提起しているのだなと思う事件もある。
 何かで読んだが、裁判官の講演録か何かで、このような事件の場合、被害者はまだ具体的請求をする意思がない場合には、「訴えの利益がない」という考えも成り立つということであった。
 読んでなるほどと思ったものである。

件数はたくさんあるかもしれないが、事件はやはり個別であるし、被害者も個別なので、あんまり杓子定規なやり方でされると、被害者もそりゃ怒るわな、と思うこともある。

 被害者の方からすれば、加害者側代理人は敵であり、気持ちが相容れることはきっとないのであろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年10月29日 (火)

判決と遅延損害金(特に交通事故)

 民事訴訟を提起する場合、たいていの事件では相手に資力がなかったりするために、損害金までは取れないことが多いが、交通事故で相手方が任意保険をかけているような場合には、判決に基づく遅延損害金が取れるので、重要である。

 日弁連の研修草書で掲載されたので、もうノウハウとも呼べないし、法的には当たり前のことであるから、ブログで書くのだが、交通事故で訴訟提起前に自賠責から一定額の回収をしている場合でも、遅延損害金から充当していないケースがたくさんある。

 たまに交通事故について、判決が出て、これが妥当かどうかということで、他の弁護士さんが書かれた訴状に関して、相談を受けることがあるが、けっこう元本に充当している。

 たとえば、1億円の賠償額が認められる交通事故では、事故時から損害金が発生するため、2年後に判決が出たら、1年で5%の金利がつくので、10%の金利がつくので、1000万円にもなる。
 この事案で、2年後に自賠責から仮に3000万円を回収してから訴訟を出す場合、いきなり元本充当すると元本は7000万円になるのに対し、損害金から入れると1000万円が損害金に、2000万円が元本に充当されるので、8000万円が元本ということになる。
 そこから訴訟をして、1年後にお金が入るとすると、元本が8000万円の場合は8400万円の回収が出来る。
 これに対して、最初に元本充当すると、7000万円の15%となるので、8050万円となり、差額は350万円にもなる。
 高額事案では、けっこうバカにならない数字であり、弁護士の費用等々がここから十分に出ることも多い。

 ただ、私が見ていると、けっこうドンと元本に入れてしまっている弁護士が多い。
 交通事故を分かっていないか、手を抜いていると見られても仕方がない。
 日弁の研修草書では、元本充当すると、弁護過誤といわれても仕方がないと書かれていた。

 少しの手間で、依頼者が受け取ることの出来る金額が増えるのである。
 もちろん、性質上、既に支払われたもののうち、元本に入れざるを得ないものもあるが、そうでないものは、損害金から充当するように、私の事務所ではしている。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年10月28日 (月)

長い交渉を経て訴えた事件

 長い交渉を経て、合意が出来ず、訴えたような事件で、交渉時と同じ代理人がついているにも関わらず、中身も認否していない超簡単な答弁書だけが出ることがある。
 経緯は知っているのだから、せめて、被告の主張は出さずとも(規則上は出す必要があるが)、認否くらいはしろよ、と思う。
 直前に受任したというのであれば仕方ないし、私もそうなることはあるから仕方ないとしても、前々からこの事件で交渉してるではないか、と思ってしまう。

 京都地裁であればまだよいが、遠方の裁判所でこれをやられると、訴えた方はその裁判所に行かざるを得ず、訴状陳述、答弁書擬制陳述だけで期日が終わる(1分程度であろう)。
 そのために、往復数時間をかける時ほどこの仕事が哀しいと思うことはない。
 もちろん、このように、遠方の地で訴訟をしなければならないときで、訴訟前に、相手方代理人と交渉している時は、どちらかの裁判所で裁判が出来ないかと、管轄合意を試みる。たいていはそれで行けるのだが、たまに、相手方の依頼者が、自分の住所地の近くでないと嫌だなどと言っているということで、双方の代理人が遠隔地に行かざるを得なくなるのである。説得してくれれば済む話なのであるが。

 もちろん、裁判で口頭弁論は大事だが、こういう場合、期日変更を申し立てて、次回双方がそろったところで実質的裁判をしたいというと、認められることが多いが、ダメなこともある。
 仕方がないので、行くのだが、移動時間がロスである。
 裁判所の都合で期日変更などはこちらは聞き入れざるを得ないことに比べて、非常に虚しくなるのである。
 もちろん、悪いのは裁判官ではなく、準備しない相手の代理人なんだけど。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年10月25日 (金)

映画鑑賞日記10月25日

「さらば愛しき女よ」WOWOWで視聴。
 レイモンド・チャンドラーの同じ題の作品の映画化で、ネットでビデオが発売されているのは確認していたのだが、1970年台の古い作品であり、DVD化されていなかったため、観ることが出来ていなかった。このほか、チャンドラーのマーロウシリーズは、ボギーがマーロウ役を演じた「三つ数えろ」(原作は、大いなる眠り)と、ロンググッドバイをかなりいじった最近の作品がある程度だと思っている。原作をあまりいじった作品はいやなので、このさらば愛しき女よは、割合原作に忠実だとネットのレビューで読んでいたため、雨の降る週末に観た。
 筋書きは、これからさらば愛しき女よを読む人もいるだろうから書けないが、ラストの手前で警察官が筋を通すところと、最後に、手元に残った2000ドルをマーロウらしいやり方でけりをつけるところに感動して、ウルッと来た。
 中々観られない作品だとは思いますが、機会があれば、是非観ていただきたい。

「バトルシップ」WOWOWで視聴。
 これもなんとなく気になっていたので、録画して観た。内容としては、まあよくあるタイプの作品で、人生においては観なくてもいいのだろうが、この手の作品は、最後にすっきりするので、ストレスの解消の一助にはなる。深みは全くない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年10月24日 (木)

オジサンの座っていた椅子

 私も年齢的にはオジサンであるが、精神的にはまだまだ若いつもりである。

 先日、私よりも若干上のオジサン(その人からしたら、あんたもオジサンやろと言われそうであるが)が、駅のホームでイスに座っていて、そのオジサンが乗る電車が来たようで、席を立ったときのことである。

 イスが一つ空いて、私が乗る電車には10分ほどあったので、そのオジサンの座っていた椅子に座ろうとしたところ、背中の部分がべったりと濡れている。
 革が張ってあったので、べったりと濡れているのがわかったのである。
 特別その日は雨が降っていた訳ではなく、そのオジサンは、薄手のコートを着ていたところ、その日は割合気温が高かった。そのために、背中にべったりと汗をかいていたのであろう。
 ああ、ヤダヤダと思い、そのイスに座るのはやめたのであるが、私も頭皮はすぐに脂が浮いてくるし、加齢臭も自分では気づかないうちにしているかもしれない。私自身も、知らないところで若い女性や若い男性から、「ああ、ヤダヤダ」と思われているのではないかと、ハッとしてしまった。

 ただ、それだけのことであるが。

 以上です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年10月23日 (水)

事件の進め方

 判決しか決着があり得ないような事件であれば、とことん主張立証を尽くして戦うものであるし、かなりきつい調子の(名誉毀損とか懲戒にならないような書きぶりにすることは当然であるが、事実関係を指摘して、相手を完膚無きまでにたたきつぶすようなという意味である)書面を書くことも多々ある。
 その結果、感情面での対立はあるものの、裁判所の説得で和解が出来ることもある。

 ただ、事案として、和解して決着がつかないような事件で、しかも和解して欲しい側は相手方の方であろうと考えられる事件でも、同じような事件のやり方をすることがある。こちらの依頼者を悪し様に書き、感情面での対立も強くなってしまっているような事件で、突然というか、やはり、相手方から、「これで和解してもらえませんか」という提案が来ることがたまにある。
 こちらの主張に対して何も指摘しないままでは、争点がないので、和解のイニシアチブが全てこちらに来てしまうため、ある程度主張立証をすることは代理人として当然であるが、最終的に、相手方の方から頭を下げないといけないような事件で、とことんなことまで書かれたりしていると、依頼者がハイわかりました、と言ってくれることはない。
 事件を多数していると、私の側の依頼者が相手方に頭を下げて、和解的解決をせざるを得ない事件にあたることもある。そうした場合、依頼者にその立場を説明して、依頼者の方から、相手方に対する要求や主張をして欲しいという要望があっても、それを主張することで、後日和解に影響を及ぼしかねないような内容を含んでいる場合、「そんなこと書いたら、後でこうなる可能性があるし、今それを言わないでもええのと違うか」と説明をして、敢えて出さないこともしばしばである。
 京都の方は、経済的なことももちろんそうであるが、やはりメンツを大事にされるので、「ここまで書かれて、なんでこっちが折れてあげなあきまへんねん」と言われると、弁護士としても説得しづらい。
 そうした特性を理解していると、主張立証の度合いにある意味手心を加えて、こっちが頭を下げた時に、相手側の依頼者ものってきやすいようにしておくというのも、また一つのテクニックである。
 どの事件でも同じようなやり方をする弁護士がいるが、準備書面の書き方一つで、和解が決裂してしまいかねないということを心にとめておくべきであろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年10月22日 (火)

読書日記10月22日

「城」カフカ。新潮文庫。
 カフカの作品は「変身」しか読んでいなかった。これと審判はせめて読みたいと思って購入していたが、このたび城を読了することが出来た。
 世界から隔離されているという感覚、自分が何者でもないという感覚、異邦人であるという感覚が全面に押し出されている作品で、こういう作品にはなかなかお目にかかれないであろう。
 最後はまだ話が続くようにして終わっているが、異邦人がいつまでも異邦人ということで、完結のないまま終わっているのもしれない。

「幻獣ムベンベを追え」集英社文庫。高野秀行。
 未確認生物を探し求める筆者のデビュー作。早稲田大学の学生時代のサークルで、コンゴ奥地にある湖に生息するという謎の未確認生物ムベンベを追い求める物語。
 正直、むちゃくちゃな冒険譚である。よく、一人の死者も出なかったもんである。
 物語としてはものすごくおもしろい。
 果たしてムベンベは発見されるのか。ただの徒労に終わるのか。
 最後まで目が離せない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年10月21日 (月)

相手の弁護士に対する批判的文書

 事件をやっていると、相手方弁護士の行動を誹謗中傷するような文書を書いてくる弁護士がいるが、弁護士職務基本規程で、簡単にいうと、相手方弁護士の立場を重んじなければならないとあるので、こうした書面は度が過ぎると、懲戒の問題や損害賠償の問題たり得ることを理解して書いているのかと思うことがある。

 証拠に基づいて事実関係や法的主張を駆使して、相手の主張に理由がないことを書くことは当然であるが、相手の弁護士の行動そのものを批判することについては、慎重でなければならない。中には、相手の依頼者が言っていることをそのまま書いているのではないかと頭をひねることすらある。

 もちろん、批判されるべき行動を取る弁護士がいないではないが、ここでいうのは、「相手の弁護士の立場に立てば、こういう主張や対応をすることはやむを得ない」と考えられる場合に、自らの立場に立って、相手方弁護士の行動が弁護士としておかしいなどと書く場合を指している。
 依頼者受けはするであろうが、こうしたものを文書で残る形で出すことで、相手の弁護士が頭に来た場合には、懲戒請求されてもやむを得ないと思っておくべきである。
 相手の弁護士の行動を非難するような前に、まずは弁護士法と弁護士職務基本規程を熟読した上でして欲しいと思う今日この頃である。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年10月18日 (金)

防犯グッズ

 先日、弁護士協同組合の方から、防犯グッズのあっせんのチラシが入っていた。
 さすまたや、防刃チョッキ、スプレー等ものものしいものが並んでいる。

 私としては、学生運動をされていた弁護士から、防御にも武器にもなるというシールドお勧めだと聞いていたので、盾が欲しかったのであるが、事務局から置く場所がないし、私達では使えないという意見があったり、勤務弁護士もほかのものがよいという意見が大勢であり、買わなかった。というより、買ってもらえなかった。

 もちろん、そのようなグッズを使うことのない方がよいのであるが、シールドとさすまたが欲しい10月である。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2013年10月17日 (木)

本を読む気力、体力

 疲れていると、テレビを見ることは出来ても、小説や本を読むことも出来ない時がある。
 本を読むにも気力、体力がいるからである。

 小説などでは情景を自分の頭の中で組み立てないといけないので、脳が疲れ切っていると、そうした知的作業をすることすら出来なくなる。
 文学作品では、特にその傾向が強いであろう。推理小説なども、真剣に筋を追うとなると、同じ問題が発生してくる。

 読書の秋というが、本業でも頭を使う仕事であるので、中々本も読めていないのが忸怩たる思いである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年10月16日 (水)

映画鑑賞日記10月16日

「ハンター」
 WOWOWで放送されていたものを視聴。オーストラリアの作品。
 絶滅したタスマニアデビルの生き残りを捕獲するため原生林に送り込まれた孤独なハンターの戦いと恐怖、悲哀を描いた作品であるが、人間のエゴと、それにより滅ぼされなければならなかった動物の悲哀を描いていて、なにげなく見たが深みのある作品であった。

「リンカーン 秘密の書」
 これは少し前にDVDを購入していて、休みの日に視聴。リンカーンがバンパイアハンターだったという設定の作品。
 完全な娯楽作品であり、みなくても全くかまわないのだが、娯楽作品もたまにはよい。

「96時間」
 これもDVDを購入していたので視聴。
 ジョジョの奇妙な冒険で有名な荒木飛呂彦氏の一番お勧め作品ということで視聴。
 悲哀あふれる主人公が、娘のために何でもやってのける痛快アクションであり、ご都合主義的なところはあるものの、まあそれは映画だからということで楽しめる作品。
 娯楽映画で、深いところは全くありませんが。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年10月15日 (火)

読書日記10月15日

「手彫り日本史」文春文庫。司馬遼太郎。
 日本史上のいろいろな論点について、司馬がインタビューを受けて語る形式の1冊。自分の作品で好きなものを珍しくあげていたり、思想がないことを日本人は恥じる傾向にあるが、逆に思想がある故発展しない場合もあると日本人観も交えて語られる。

「深重の海」朝日文庫。津本陽。
 津本陽の直木賞受賞作。
 和歌山県大地の海で伝統の捕鯨漁をする男たちとそれを取り巻く女性たちの悲劇を描いた作品。
 ある意味、弁護士も狩猟民族(安定して仕事がある保証はないので)であるため、漁師の生き様に感銘を受けるところも多かった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年10月11日 (金)

アシナガバチ

 以前にも玄関先の木にアシナガバチが巣を作ったことがあったのだが、今度は家の裏手の方の軒先に巣を作られていた。
 休みの日に庭で葉巻を吸っていると、よくアシナガバチが飛んできていたのはこのせいであったようである。

 写真を掲載したいが、ネットで調べたところ、秋口の蜂は繁殖の季節なので気が立っているというような記事があったので、刺されてはかなわないので、残念ながら写真がない。

 家の裏手であるのと、出来るなら必要以上に生き物を殺したくもないので、ネットで検索をしたところ、アシナガバチは超危険だから即駆除すべきという見解が書かれたサイトと、アシナガバチは近づかない限り特に攻撃もしないおとなしい蜂であるので、邪魔にならないところであれば、そのまま優しく見守ってやりましょうというサイトがある。

 どちらが本当なのかわからない。

 はてさてどうしたものか。

 以上です。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2013年10月10日 (木)

管財人の仕事

法人や資産のある自然人が破産すると(破産の経緯に問題がある人の場合もつけられることもあるが)、倒産した会社の事務処理のために破産管財人がつけられることになる。

 最近の破産マニュアルでは、裁判所に納める予納金(官報に掲載するための実費と、煩瑣管財人の報酬分である)を安くするために、相当のことは申立代理人の方でやってくださいとなっている。
 賃料債務の発生を抑えるために明け渡しをしたり、買い手がみつかって価格が相当であれば、不動産を売却したりなどである。
 明け渡しの際に、何とか引き取り手を見つけて、動産を売却したりすることもある。

 ところが、私が申立人の場合に、管財人についた人によっては、価格の相当性を疎明せよとか、いろいろとこちらからすればケチをつけられているようなことを細かく言ってくることがある。
 中古の動産を売却できただけでも儲けものであるというような場合に、その価格が妥当かどうかといわれても、困ることが多い。見積もりくらいしかないからである。減価償却しきっているような動産だと、買った時の価格もわからなかったりする。
 不動産も抵当権者が自分のところの債権が一部回収不能になっているような状態で担保を外してくれている場合は、金融機関がその価格を妥当と言った訳であるから、その価格が相当かといわれても、それ以上の疎明はできんだろうと思うのである。

 そのあたりをいろいろと言って管財人が調査をして、たとえば少し価格が安かったとしても、管財人の報酬が増えるだけで債権者に配当が出来ないことには変わりがないことが圧倒的に多い。
 こちらからすれば、ある程度調査をしてもらえればそれで終了と考えているような事件で、細々とこれを上申せよとか言ってこられて、事件が長引いても債権者のためにはならず、単に管財人の報酬が増えるだけであるから、自分の報酬を増やしたさにそうしたことをしているのではないかと思うこともたまにある。

 管財事件というのは全体的に見るべきだというのが私の考えであり、細かいことをいわずに、ダイナミックに解決するという姿勢も必要だと思うのである。
 裁判所も、私が管財人の場合で、これこれ細かい問題は申立人側にあるが、全体として見ればこういう処理をした方が妥当だということで報告書を書けば、それで何かいわれることはない。
 細かすぎて全体が見えていない人がたまにいて、困ることがあるのである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年10月 9日 (水)

最近のテレビ

 基本的にテレビはスカパーかWOWOWで録画したサッカーか映画、地上波ではニュースくらいしか意識的には見ないので、一般のテレビ番組を知らない。たまたま流されているのをあまり意識せずに見るくらいである。

 なので、「あまちゃん」も知らない。あまちゃんの主人公がかわいいということを知ったのもつい最近であり、「じぇじぇ」というのが流行っているというのもつい最近知った。そして、知った途端に最終回が来たようである。
 たまたまついているテレビを見ていると、こうした人気番組のパロディをしていることが多いのだが、ほとんど知らないので、おもしろさが分からない。
 それを知らなくても、おもしろくするのが本来の娯楽だと思うのだが。。。

 あとついでに、ビッグダディって誰やねん。美奈子って誰やねんという世界でもある。
 

 以上です。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2013年10月 8日 (火)

ビジネスマナー以前

 新幹線が混んでいたので(急いでいたため、一駅だけ自由席に乗ったので)、デッキに行き、立っていると、デッキに女性が来て電話をし出した。

 「本日ビジネスマナーを予約しているものですけど、どうしても今日いけなくなったんです・・。変更してもらいたいのですが」
 私は心の中で、「今日行けないことはだいたい分かっていたやろ!それを今日の今日予約変更しようとしている時点でマナー以前の問題違うか!」と突っ込んでいた。

 予約の変更は出来たようで、次の予約を先方が直ぐに入れようとしたところ、「10月から2月まで海外に行くので、来年の2月以降で」という回答を女性がした。
 いやいや、その海外出張も元々予定されてたやろ、どれだけ先に予約入れるねん、そこもどうせ行かへんの違うか・・と心の中で突っ込んでしまった。

 マナー研修をする以前に、マナー以外のところを学びなされ。

 以上です。
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年10月 7日 (月)

読書日記10月7日

「怪魚ウモッカ格闘記」集英社文庫、高野秀行。
 未確認生物を探す、著者の作品。
 インドのさる漁村でさる人が見たという、なぞの怪魚を探しに著者が格闘する物語である。
 お金と暇があったら、私が探しに行きたい。。。

「倫敦塔・幻影の盾」新潮文庫。夏目漱石。
 夏目漱石の小説では私にとって未読の最後作品。
 あとは、評論とか、俳句集などを買っているので、それをぼちぼち読む予定である。
 あと人生でどれだけの本を読めるかと考えると、読む本を厳選しないといけないと最近思いつつ、目についたおもしろそうな本はすぐ買ってしまうので、買う本の量が読む本の量を常に越えていて、未読の本がいっこうに減らない。
 読書する時間をもっと取りたいが、本業がもっとも大事なので、がんばって仕事をまずしよう。

「アグルーカの行方」集英社、角幡唯介。
 冒険作家である著者の冒険行。
 イギリスの探検家であるフランリリン隊は129名の隊員が北極で行方を絶ち、誰も帰還しなかった。
 著者はフランリリン隊が歩いたであろうルートを徒歩で縦断して、フランリリン隊がなぜ全滅したのか、また、生き残りは北極のどこまで行ったのかを探求する。
 こういう冒険は私にはとうてい出来ないが、読み物としては、ものすごくおもしろい。
 高野秀行の早稲田大学探検部の後輩。
 これはまだハードカバーであるが、この人の作品はすべてお勧めである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年10月 4日 (金)

お亡くなりになられた足立紫苑君のご冥福をお祈り申し上げます

 またも、悲劇が起こりました。
 2日の夕方、中京区の市道で、軽トラックに足立紫苑君(小2)がはねられて死亡しました。
 この軽トラックはその前にも主婦ら二人に怪我を負わせたということです。

 犯人は逮捕されましたが、酒に酔っていて、事故を起こしたことを覚えていないという供述をし、犯行を否認しているということです。
 軽トラックは明らかに人に衝突した痕跡を残しており、否認したとしても事故を起こした刑事責任から免れるのは難しいのではないかと考えられます。
 危険運転致死傷罪の適用も考えられるところです。

 亀岡事件に続いて八幡の事件と、こうした重大かつ悪質かつ、避けようと思えばいくらでも避けられる事故が後を絶ちません。
 特に、京都で起こる頻度が高いように思われます。

 犯罪被害者支援に関わるものとして、このような痛ましい事故の報道に接するたび、本当に心が痛みます。
 心からご冥福をお祈り申し上げるとともに、怪我をされた方の回復をお祈りいたします。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年10月 3日 (木)

みのむし(画像あり。虫の苦手な人は読まないで)

Mini_130929_12510001
 休みの日に庭で葉巻を吸っていると、横で何かがもぞもぞ動いているので、見るとみのむしが袋から体を一部出して歩いていた。
 子どもの頃、大変かわいそうなことをしたと思うが、たまに袋を開けて中のミノムシを出したことを思い出す風貌である。

 最近ミノムシは絶滅危惧種に指定されたりしているが、なぜか私の自宅の庭にはたくさんいる。

 一応、珍しいということで掲載します。

 虫の苦手な方、すいません。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2013年10月 1日 (火)

人を拒否する態度

 たまたまある弁護士さんと打合をする機会があったが、その弁護士さんは打合の間腕組みをしてふんぞり反って話し方も偉そうであった。

 私よりも後輩である。

 なめられてはいけないと思っているのか、普段からそういう態度なのかは不明だが、私が法律相談の技法でもっともしてはいけないと教えているボディランゲージをそのままやっていた。

 ほとんど知らない人なので、注意をする必要性も感じなかったので、そのままにしていたが。
 私も京都弁護士会ではそれなりに中堅の地位にいて、役員もやったし、ベテランの先生方にも配慮されるような立場にいるつもりなのだが、きっとこの人は私よりも何かで偉いのであろうか。

 偉そうな態度を取らないよう、私は気をつけよう。。。

 本日間違えてブログを2回更新したので、明日はお休みさせていただきます。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

仕事のやり方

 他の弁護士の仕事のやり方を見聞きしていると、

1、事務所にいる間中、ほぼ集中して仕事をやり続けて、ぱっと切り上げるタイプ

2、事務所には長々といるが、ダラダラと仕事をし続けていて、あまり能率が上がらないタイプ

 大きく分けると、2つのいずれかであろうかと思う。
 2は、長いこと仕事をしているようであるが、ダラダラしている時間も長いので、仕事が何も出来上がっていないことも多い。
 1はその逆で、仕事をしている時間は短いが、集中してしているので、仕事がぱっと出来上がる。
 私はずっと1でやってきたつもりなので、物凄く忙しかった時、遅くまで毎日仕事をしていたら、ワーキングハイのような状態になり、倒れた。今まで、2回倒れている。
 2の人はそもそもダラダラしているので、ワーキングハイという状態はないであろう。
 遅くまで仕事をしていたら、「偉い」などといわれるこの業界であるが、それは違うだろう、どれだけの仕事をしているかであろう、と思うのである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2013年9月 | トップページ | 2013年11月 »